ホルムズ海峡迂回のパイプライン稼働

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アラブ首長国連邦(UAE) は7月15日、ホルムズ海峡を迂回し原油を出荷できる陸上パイプラインAbu Dhabi Crude Oil Pipeline の完成式典を行い、稼働を開始した。

パイプラインは、UAEの首都Abu Dhabi 南西のHabshan油田とオマーン湾に面する同国東部Fujairah港の約370kmを結び、最大で日量150万バレル (将来は180万バレル)を送ることができる。UAEの原油生産量は6月は日量約261万バレルであった。

同港には計800万バレルの原油を貯蔵するタンクも設置された。

アブダビ政府系ファンドのInternational Petroleum Investment Company (IPIC)が2008年から建設を進めてきたもので、2010年12月に完成し、試運転を行っていた。

2010/12/3 Abu Dhabi Crude Oil Pipeline 完成 



パイプラインの操業はAbu Dhabi Company for Onshore Oil Operations (ADCO) が担当する。IPICはパイプライン使用料としてバレル当たり数セントを取る。

稼働初日の15日は約50万バレルが送られ、 パキスタン政府とIPICのJVのパキスタンのPak Arab Refineryに向けてFujairah港からタンカーが出発した。

Pak Arab Refinery Ltd (PARCO)は1974年設立で、パキスタン政府が60%、IPICが40%出資している。
MultanにあるMid-Country製油所の能力は日量10万バレルで、パキスタン全体の能力の35%を占める。

現在はRuwais港から100万バレル級のタンカーで運んでいたが、Fujairahからは200万バレルの輸送が可能な最大級のVLCCの利用が可能となる。
パイプライン稼働はRuwais港の混雑回避とともに、需要家にもVLCC利用による輸送費削減のメリットを与える。

IPICではFujairahで40~50億ドルを投じて日量25万バレル程度の能力の製油所の建設も検討している。

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イラン側は、パイプラインの能力は限られているため、湾岸国は依然としてホルムズ海峡を利用せざるを得ない。これはホルムズ海峡の戦略的重要性を少なく見せるための西側、特に米国主導によるプロパガンダに過ぎないとしている。



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