中国商務部、米の太陽発電向けポリシリコンに反ダンピング、反補助金調査開始

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中国商務省は7月20日、米国製の太陽光発電パネル向け多結晶シリコンについて反ダンピング調査、反補助金調査を開始したと発表した。合わせて韓国製の多結晶シリコンについても反ダンピング調査を開始した。

いずれも7月2日に、中国の国内メーカーを代表して、江蘇中能矽業科技發展有限公司、江西賽維LDK光伏矽科技有限公司、洛陽中矽高科技有限公司大全新能源有限公司から調査の要請を受けたとしている。

中国が輸入している多結晶シリコンの約4割が米国製で、2割は韓国製とされる。
中国メディアは安価な製品の流入で多結晶シリコンを生産する中国企業は生産停止や倒産に追い込まれ、多数の失業者が出たと報じている。

対象となる多結晶シリコンメーカーは、米国のHemlockやMEMC Electronic Materials、韓国のOCI Corp.など。

今回のダンピング調査の対象期間は2011年7月1日から2012年6月30日まで、損害調査の対象期間は2008年1月1日から2012年6月30日までとなっている。

反補助金調査の対象としては、以下を挙げている。

 連邦政府:先進的エネルギー生産に対する税額控除制度

 地方政府;
  ミシガン州 各種の税額控除、融資制度
  テネシー州 工場建設のためのインフラ、従業員訓練費用補助、土地の安価提供
  ワシントン州 当該メーカーへの税率引き下げ、その他
  アイダホ州 無償土地代

今回の措置は、米政府による中国製のソラーパネルへの相殺関税、ダンピング関税の仮決定に対する対抗措置とみられ、中国向け輸出の多い韓国は巻き添えを食ったもの。

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米商務省は2011年10月、米国のソラーパネルメーカーから「中国メーカーは政府支援を受けて生産・販売コストより安くパネルを販売している」として、関連調査と100%超の関税適用をするよう請願を受けた。
中国からのソラーパネルの輸入は2009年の640百万ドルから2010年に1,500百万ドルに急増した。

ダンピング課税に賛成するグループは、免税、安い原料、安い土地代や電気水道代、有利な借入金、輸出保険、輸出支援など、中国政府による実質的な補助金に対し、相殺関税を課するよう求めた。

他方、中国からの安い輸入パネルで太陽発電を推進している米国のメーカー25社はこれに反対し、太陽電池の価格上昇で米国の需要は減少し、10万人の職が失われるとし、反対した。

これを受け、米商務省は11月9日、反ダンピング課税と相殺関税について調査すると発表した。

米商務省の調査開始発表に反発した中国商務部は11月25日、米政府による自国の再生可能エネルギー業界への政策支援や補助金拠出が貿易障壁に当たるかどうか、調査を始めたと発表した。
(今回の措置はこれに基づくもの。)

米商務省は3月20日、中国のソラーパネルメーカーが中国政府から不当な補助金を受けているとして、相殺関税を課す仮決定を下した。
相殺関税の対象となるのは中国製の結晶シリコン型ソラーパネルで、税率は2.90~4.73%。業界要求の100%と比べると非常に低率となっている。

更に、米商務省は5月17日には中国製太陽電池を対象に、31.14-249.96%の反ダンピング関税を課す仮決定を下した。

日程表によると、米商務省は今回の仮決定に続き、今年10月上旬に反ダンピング・反補償金関税に関する最終決定を下す見通しで、その場合、米国際貿易委員会も今年11月下旬に肯定的な最終決定を下し、これを受けて、米商務省は中国製太陽電池に反ダンピング・反補助金関税を課することになる。

2012/3/24   米商務省、中国製ソラーパネルに相殺関税 

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米国は今回の措置に遺憾の意を表しており、USTRでは、「中国が、貿易相手国の取った法的措置に対する報復措置として、反ダンピング調査等を利用していることに懸念をしている」と述べた。

なお、米紙は「中国のジレンマ」と報じている。

実際に反ダンピング課税が行われると、中国のソラーパネルメーカーのコストが上がる。更に米国(と恐らくEU)からのソラーパネルに対する反ダンピング、反補助金課税も受ける可能性があり、下流と上流からダブルでコストアップとなる。


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