豪州 Rudd政権、炭素税廃止を発表

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豪州のKevin Rudd首相は7月16日、温暖化ガス排出量の多い企業を対象とした炭素税を2014年6月末に廃止すると発表した。

当初2015年7月を予定していた温暖化ガス排出量取引制度(Emission Trading Schem:ETS)への移行を1年前倒し、2014年7月とする。
炭素税と同時期に導入した石炭と鉄鉱石に課税する鉱物資源利用税(Minerals Resource Rent Tax:MRRT)は継続する。

負担が大きいとして経済・産業界から批判されてきた政策を転換し、総選挙に向け支持拡大につなげる。
首相は、計画の前倒しによって38億豪ドルのコストがかかるとの見通しを示した。歳出削減と税優遇措置制限で代替財源を確保する。

現状では370社から炭素税を徴収し、12年度(12年7月~13年6月)は75億4000万豪ドルの税収を見込んでいる。
価格が市場で決まる排出量取引制度に移行すれば、企業の負担は4分の1になる見込み。

この変更は8月下旬から9月とされる総選挙後に法制化されることとなる。
野党保守連合は選挙に勝利した場合、炭素税の廃止を公約に掲げている。

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炭素税はJulia Gillard 前首相が2012年7月に導入した。

Gillard首相が率いる労働党は2010年8月の総選挙で、炭素税を導入しないことを公約としたが、苦戦となり、気候変動対策を主張する緑の党などを取り込み、ようやく政権を維持した。

その後設立された「超党派気候変動委員会」では労働党は2020年までに1990年比で5%削減を目標としたが、みどりの党は25~40%削減を主張した。
緑の党は、労働党の主張する排出権取引制度は不十分とし、炭素税の導入を主張、家庭への支援強化を求めた。

緑の党の主張が通った。

排出量の多い約500社は排出する炭素1トンごとに"Permit"を購入する。
  
201271日施行で、最初の3年間は税金と同じ扱い。
  企業は排出量分の
Permitを購入する。売買や将来の年度での使用はできない。
  炭素価格は
   2012/7-2013/6 はトン当たり
23.00豪ドル (注 1豪ドルは現在で約0.92米ドル)
   
2013/7-2014/7 24.15豪ドル
   
2014/7-2015/7 25.40豪ドル 

201571日に排出量取引制度(Emissions Trading Scheme)に移行する。
  炭素価格は市価となる。
  
2014年予算で、最初の5年間の総排出枠(Cap)を発表する。

・炭素価格は製品価格に上乗せされるため、2012年度(2012年7月~2013年6月)の消費者物価指数が0.7%上がると試算。
  
このため、 炭素税の税収の50%以上を充て、補助金や所得税減税を実施する。
  10家族のうち9家族が減税や補助金で炭素税のコストアップをカバーされる。

2011/7/13  豪、2012年7月から「炭素税」導入

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本件は温室効果ガス削減と、そのための費用負担を巡る争いであり、Rudd首相にとっても長い歴史を持つ。

2007/11   連邦議会選挙勝利の結果、Kevin Ruddが第26代豪州首相に就任
 温室効果ガス排出権取引制度導入を公約
2007/12   豪州、京都議定書に調印



2008/12   温室効果ガス排出権取引制度の詳細を明らかにした白書を公表
 2010年7月導入を再確認


2008年における豪州の一人当たり二酸化炭素排出量は18.5トンと、先進国では第1位となっている。
国全体では3億9700万トンと、世界の総排出量の1.4%を占めた。
豪州政府は、炭素価格制度導入に当たり、二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量を
2020年までに2000年比で5%削減、2050年には同80%削減することを目標に掲げた。

 ーーー その後、Lehman shock による世界的な景気悪化
2009/5   排出権取引制度導入の1年延期を決定
2010/4   排出権取引制度導入の少なくとも3年延期を発表
 議会の強い反対(上院議会で3度否決)
 
Julia Gillard 副首相も諦めるよう進言
 この結果、Rudd首相の支持基盤が消失 
2010/5   資源会社を対象とした税率40%の「資源超過利潤税」(Resource Super Profits Tax) の導入案発表
 
産業界の猛反発を買い、支持率が急落
     
2010/6   Rudd首相辞任、Julia Gillard 副首相が豪州初の女性首相に就任
2010/7   Gillard 首相、資源税案修正(税率引き下げその他)で業界と合意、
 「鉱物資源利用税」(
Minerals Resource Rent Tax:MRRT) を2012/7 導入
       2010/5/29 豪州の資源新税で資源開発計画の見直し相次ぐ
2010/8   総選挙
 Gillard 首相は
炭素税を導入しないことを公約とした。
    自由党との大接戦となり、労働党が緑の党などを取り込み、過半数確保に成功。
2010/9    9月15日 第2次Gillard 内閣成立
2011/7   「炭素価格制度」を2012年7月から導入する構想を発表
  2015年7月に排出量取引制度に移行する
2011/11   「炭素価格制度」関連法案 可決
2012/2   Rudd外相が突如辞任、党首選挙実施。
 
Gillard がRuddを破り、再選
2012/7   「鉱物資源利用税」、「炭素税」(トン当たり23.00豪ドル )開始
     
2013/6   労働党党首選挙
 Gillard 敗北、Rudd 首相復帰
2013/7   「炭素税」24.15ドルに (2014/7に25.4ドルとなり、2015/7に排出量取引制度に移行の予定)
2013/7   Rudd首相、「炭素税」の2014年6月末廃止(2014/7 排出量取引制度に移行)方針を発表
 鉱物資源利用税(MRRT)は継続


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