南鳥島沖のレアメタル探査へ

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経済産業省は7月20日、南鳥島の沖合の海底に存在するレアメタルついて、国際海底機構から探査の承認が得られたと発表した。
今後15年間にわたって日本が独占的にレアメタルの探査を行うことになる。

経産省は1987年から石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて西太平洋の公海域の深海底で、コバルト・リッチ・クラストの賦存状況調査を実施した。

コバルト・リッチ・クラストは、水深1,000~2,000mの海山の頂部や斜面を厚さ数cm~数10cmでアスファルト状に覆うコバルト、ニッケル、白金等のレアメタルを含む鉄・マンガン酸化物

その結果、南鳥島の南東の沖合、およそ600kmの公海には、深さ1,000m~2,000mの海底に、コバルト・リッチ・クラストを見付けた。

 

公海域海底の鉱物資源探査・開発は国連海洋法条約に基づき、国際海底機構の規則に従って鉱区申請、活動実施が求められる。

マンガン団塊については2000年、海底熱水鉱床については2010年に探査規則が採択され、鉱区申請が可能となっているが、2012年7月にコバルト・リッチ・クラスト鉱区についても探査規則が採択された。

政府は直ちに南鳥島の南東沖の深海底で探査鉱区(3,000km2)の申請を行い、2013年2月の国際海底機構の法律・技術委員会の審査を経て、今回承認された。

JOGMECは本年度中をめどに同機構と契約を締結、15年間の排他的探査権を取得したうえで、資源量把握のための本格調査、環境保全に配慮した開発技術等の調査研究に取り組む。

JOGMECによると、探査契約の10年目末までに鉱区の2/3を返却するが、残る1,000km2の推定埋蔵量は、コバルトが65万トン、ニッケルが80万トンとのこと。
 

コバルト・リッチ・クラストの採掘やレアアースなどを抽出する技術は確立していない。

茂木経産相は「日本の資源開発の可能性を高めるうえで極めて意義深い。深海の鉱物資源の開発は、世界でも商業化の例がなく、技術開発など克服すべき課題は多いが、将来的な可能性を積極的に追求したい」というコメントを発表した。

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日本が公海上で探査権を得るのは1987年にハワイ南東沖でマンガン団塊鉱区を取得して以来2例目。

JOGMECは1975年以降、経産省の委託を受けて、ハワイ南東海域の公海においてマンガン団塊の探査活動に着手するとともに、深海底鉱物資源の探査専用船「第2白嶺丸」を建造し、1980年から本格的な調査を開始した。

1982年9月には探査開発の推進母体となる「深海資源開発」(DORD)が設立された。

1987年12月に国連海洋法条約の下で、ハワイ南東沖にマンガン団塊鉱区75千km2を登録し、2001年6月に深海資源開発は国際海底機構との探査契約を締結した。

マンガン団塊は水深4000メートル以上の海底に散在しており、まだ開発に至っていない。

 

  http://www.enecho.meti.go.jp/policy/mineral/mineral02.htm


なお、南鳥島周辺の海底ではレアアースを豊富に含む泥が発見されている。

2012/7/2  南鳥島沖にレアアース 

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石井吉徳・東大名誉教授(もったいない学会会長)はFACTA  8月号のインタビューで、有効に利用できる資源には①濃縮されている、②大量にある、③経済的に採掘できる場所にある、の3条件が必要であり、「海洋資源大国は『幻』、質を見ねば国を誤る」としている。

在来型の海洋ガス田なら1か所で井戸を掘るとガスが自噴するが、広大な海域に広く薄く ばらばらに分散しているメタンハイドレートやレアアース(レアメタルも同様)は、資源としての「質」は極めて低いとしている。

写真のようにコバルト・リッチ・クラストは海底の岩盤表面を厚さ数cm~数10cmでアスファルト状に覆っている。
モノとしては存在しても、どのように採掘するのか、採掘して採算が取れるかどうかが問題である。

2001年6月に国際海底機構との探査契約を締結したハワイ南東沖のマンガン団塊鉱区も未だ開発に至っていない。




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