住友化学、エチレン停止に合わせ日本オキシランのSM、PO、PGを2015年に停止

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住友化学は11月27日、60%出資する日本オキシランについて、残り40%を出資するLyondell  Centennialから保有株式40%全てを取得し、住友化学の完全子会社としたあと、2015年5月をめどにSM、PO、PGの製造・販売を終了すると発表した。

住友化学は次の定修時期の2015年にエチレンを停止することを決めており、一部誘導品の停止を含めた最適化を検討してきたが、日本オキシランの工場を停止することを決定した。

停止する工場は以下の通り。

SM:年産425千トン、PO:181千トン、PG:100千トン。

日本オキシランはハルコン法のPO/SM併産法を採用している。

住友化学はこれとは別に自社開発の単産法でPOを生産している。(能力200千トン)
同社では日本オキシラン停止後も、高い コスト競争力と低い環境負荷を実現した千葉工場 の単産法プラントで PO の製造 を継続し、引き続き販売する。

SMについては、住友化学は日本オキシランに加え、電気化学とのJVの千葉スチレンモノマーに参加していた。

電気化学と住友化学は2012年1月、千葉スチレンモノマーを2012年4月末に電気化学の100%子会社とすることで合意したと発表した。

千葉スチレンモノマーは1992年1月に電気化学60%、住友化学40%の出資で設立、電気化学の千葉工場内に年産27万トンのプラントを建設した。
製品の引取は出資比率見合いで、電気化学 162千トン、住友化学 108千トンとなっている。

電気化学は自社プラント(24万トン)と千葉スチレンモノマーのプラント(27万トン)を同社千葉工場に有するが、これを機に自社プラントを停止し、競争力のあるプラントでの集中生産体制を確立、スチレンチェーンの基盤強化を図る。

住友化学は日本オキシランにSM/PO併産設備(SM 412千トン)を有し、千葉スチレンモノマー品の販売を日本オキシランに委託しているが、千葉スチレンモノマーの生産枠(108千トン)の放棄で、競争力が低下している輸出を縮小した。

2012/1/13  電気化学と住友化学、スチレンモノマー事業を縮小 

日本オキシランの工場の停止の結果、住友化学のSMはゼロとなり、POは単産法の20万トンのみとなる。

住友化学は2009年9月末に、三井化学とのJVの日本ポリスチレンの千葉工場の操業を停止し、その後、日本ポリスチレンを解散している。

2009/4/4 日本ポリスチレン 2009年9月末に操業停止、解散へ

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日本オキシランは1972年に設立された。

1967年にアメリカのHalcon International Inc.が、メキシコで開かれた世界石油会議で、塩素を使用せず、過酸化物を種々変えることによってプロピレンオキサイドと各種の併産品を選択的に生産することができる新方法を発表して、俄然注目の的となった。

これはAtlantic Richfield (ARCO  )との共同開発によるもので、両社はJVの Oxirane Chemical を設立、テキサス州ベイポートで、同法の世界最初の工場としてPO 75千トンの工場を建設した。当初はPO/SM、後にPO/TBAも生産した。日本オキシランの名前はこれから取った。

それまでのPOの製法は塩素法であった。

プロピレン+塩素 → クロルヒドリン
クロルヒドリン+苛性ソーダ → PO+塩化ナトリウム

ハルコン法

プロピレン+エチルベンゼン(or イソブタン)→PO+SM (or MTBE)

日本の各社が導入を競ったが、住友化学はAtlantic Richfield と洗剤原料のJVの日本アトランチック(花王を含めたソフト型アルキルベンゼン生産JV)を有しており、Halcon社長と住化の児玉福社長が懇意であったことから、住友化学が技術導入に成功した。
住友化学は当時、昭和電工とPSのJV、日本ポリスチレンを持っていたことから、昭電を含めたJVを設立することとした。

能力はPO 90千トン、SM 225千トンとし、住友化学の千葉製造所に建設することとした。
出資比率はアメリカ側 50%
、住友化学 30%、昭和電工 20%とした。
先ず1972年8月に住友化学と
昭和電工の2社で日本オキシラン設立し、その後、アメリカ側のAtlantic Richfield とHalconが出資した。
1973年に千葉県の認可を受けて着工し、1975年8月に完成した。


1980年にハルコン持分がARCOに譲渡され、ARCOが 50%となった。

その後、採算悪化から1982年に一時的に製造部門を分離してスミアルコを設立(住化 50%/ARCO 50%) したが、1987に日本オキシランがスミアルコを吸収、住化 44.76%、昭電 5.24%、ARCO 50%とした。

20026月に昭和電工が離脱、住化 50%、Lyondell 50%とした。

2000年9月に住友化学はPOの新法開発を発表した。

プロピレンとキュメンからPOを生産し、副生するクミルアルコールはキュメンにして再度利用するもの。
2003年に千葉に200千トン設備を建設した。

住友化学はPO事業を石油化学部門のなかでコア事業の1つに位置づけ、2003年3月に日本オキシランの出資比率を60%に引き上げ、代わりにSM販売については日本オキシランに移管した。

それまで日本オキシランはPOを直接販売していたが、SMについては住友化学が日本オキシラン設立以前に製造販売していたことから、日本オキシラン品を受託販売していた。(住友化学は千葉に100千トン設備を持っていたが、産構法で停止した。)

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Halcon Internationalは1987年にScientific Design Companyに改称した。
Scientific Designは2003年に
Saudi Basic Industries Corporation (SABIC) とSüd-Chemie AGに買収された。

2011年にClariantがSüd-Chemieを買収、現在はScientific DesignはSABIC とClariantのJVとなっている。


1985年にARCOの子会社としてLyondell 設立され、1989年に独立した。
ARCOは2000年にBPに買収されたが、これに先立ち、1998年に
Lyondell はARCO Chemical Company を買収している。

1997年にはMillennium Chemicals とのJVでオレフィンおよぴポリオレフィンメーカーのEquistar Chemicalsを設立した。
当初はLyondell が41%出資で、MillenniumとOccidental が各29.5%出資であったが、2001年にOccidentalは持株をLyondellに売却し、その代金でLyondell株を購入している。

2004年12月、Lyondell とMilleniumが合併した。合併後の姿はMilleniumとEquistarがLyondell の子会社の形をとっている。

2007年にBasellがLyondellを吸収合併し、LyondellBasell Industriesとなった。

 

 

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