IneosのGrangemouth石化コンプレックス、再建へ

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Ineosは12月20日、労働組合との紛争が続いていたスコットランドのGrangemouthの石油精製・石油化学コンプレックスで、1350人の労働者のほとんど全てが新しい年金制度にサインし、新しい労働条件を受け入れたと発表した。


Ineosは、Grangemouth石化事業は毎月10百万ポンド(約15億円)以上の損失を出しており、年金の赤字は200百万ポンド(約310億円)に達するうえ、
North Sea pipelineで供給を受けている北海の石化原料が減少しており、このままでは原料が枯渇し、遅くとも2017年末までには閉鎖するしかないとし、Survival Plan を作成、労働組合と政府(英国及びスコットランド)に協力を求めた。

 1) 300百万ポンド(468億円)を投資して、事業継続に必須の米国からの輸入エタンのガスターミナルを建設する。

 2) その条件として、労働組合に対し、製油所も含めた人員整理と賃金・年金の改正を要求

同社によると、Grangemouth での基本給は年間 £40,000 ~£43,000、手当やボーナスを入れると £55,000となり、スコットランド平均 の £26,000の2倍以上としている。これに年金が65%上乗せされ、1人当たり労務コストは£90,000 にもなる。

 3) 同時にIneosはスコットランド政府と英国政府に対し、事業をサポートするため、
  合計150百万ポンドの補助金と借入保証を要求
 

これに対し、組合側はストライキで対抗した。

2013/10/10    Ineos、Grangemouthの石化コンプレックス閉鎖か?

工場は閉鎖の危機に陥ったが、政府の介入で組合側は年金改正提案を受け入れた。Ineos は従業員の現在の給与は変更なしとしている。

この結果、労務費の高騰が避けられるため、会社は3億ポンドの投資を実行する。

33千トンを保管できる欧州最大の液化エタンタンクを1.25億ポンドを投じて建設する。2016年に完成する。

米国からシェールガス原料のエタンガス(正確にはシェールガスと同時に出る天然ガス液からのエタン)を輸入する特製の船2艘のための新しいドック設備も建設する。

Ineosは2012年9月、欧州のエチレン原料用にエタンを輸入するため、米国の独立系石油・ガス業者のRange Resourcesとの間で、2015年からエタンを購入する契約を締結した。

老朽設備を廃棄する。

ベンゼンプラントは2014年に、エタンとナフサの両方を原料とする「G4」クラッカー(年産32万トン)とブタジエンは2015年後半に停止する。
エタンを原料とする
「KG」クラッカー
(年産70万トン)だけが残ることとなり、誘導品も縮小する。

英国政府はIneosに対し150百万ポンドの債務保証を行い、スコットランド政府も900万ポンド以上の支援を行う。


 

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