ルノー、韓国LG Chem と将来の電気自動車のバッテリーを共同開発、GMはバッテリーをLGに統一

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Renault は5月21日、Renault とLG Chemが次世代のゼロエミッションの自動車用のバッテリーを共同開発する契約に調印したと発表した。

2~3年後に販売されるRenault の新しい電気自動車に使われる次世代バッテリーの開発のため両社が協力する。LGが特許を取得した高密度で省エネのリチウムイオンバッテリーを使用する。

現在の電気自動車は最高速度が時速200km程度であるが、両社は時速400kmが可能な電気自動車の開発を検討している。

Renault は現在、電気自動車では Twizy、Zoe、Fluence Z.E. 、Kangoo Van Z.E. を販売しており、韓国ではRenault 三星自動車がFluence  Z.E. をベースにしたSM3 Z.E.を販売している。

このうち、LG Chem はTwizy、Zoe、SM3 Z.E.の3モデルにバッテリーを供給している。

Renault とフランス原子力庁(CEA : Alternative Energies and Atomic Energy Commission) は2012年7月、電気自動車用次世代電池の量産開発でLG Chemと提携すると発表した。

Renault とCEAは2010年に電気自動車の分野での戦略的提携を開始した。
その一部に新しいバッテリー技術の開発が含まれている。CEAは電気自動車用新世代バッテリーを開発している。

LG Chemが電気自動車用次世代電池の工場をフランス国内に建設し、2015年末からEV用電池の現行品の量産を開始する というもので、追って契約を締結するとしていた。Renault が2012年末に発売する小型電気自動車ZoeもLG Chem製の電池を採用することが明らかにされた。

Renault 日産グループには、バッテリーを製造するAESC(オートモーティブ エナジー)がある。
  AESCは日産自
動車 51%、日本電気 42%、NECエナジーデバイス 7%のJV。

Renault と産自動車は当初、AESCの技術をベースにした 電気自動車用電池工場を、2012年半ばまでにRenault のフラン工場に建設する計画を発表していたが、この計画は延期された。

Zoeの電池も、AESCの技術がベースになると考えられていたが、LG Chemの電池が採用された。

AESCの生産能力が限られているため、日産自動車は自ら出資するAESCの電池を優先して使い、RenaultはLG Chemの電池を採用することになったとされている。

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GMはエコカー用電池を韓国LG Chem製に統一すると明らかにした。

LG Chemは2009年1月、「2010年に発売予定のGMの電気自動車 Chevy Volt に搭載されるリチウムイオン・ポリマー・バッテリーを供給する唯一の企業として選ばれた」と発表した。

2009/1/17 LG化学、GMに電気自動車用バッテリー独占供給へ

LG Chem子会社のCompact Powerは2010年7月、ミシガン州Hollandでリチウムイオン電池工場の起工式を行い、オバマ大統領が出席した。

工場は2012年稼動の予定で、A123 SystemsとJohnson Controls-Saft  と組み、プラグインハイブリッドベースで20万台分(E-REV=充電用エンジン搭載車 "Chevy Volt" ベースでは5万台分)を生産する。
投資額は303百万ドルで、オバマ政権の24億ドルの補助金から151百万ドルを受ける。

2010/7/17 オバマ大統領、LG化学の米工場起工式で祝辞

この工場はいろいろな問題があり、2013年7月にようやく稼動したが、一旦停止し、10月末から生産を開始した。

2013/9/10 LG化学のミシガン州のリチウムイオン電池工場、生産開始2か月で停止

LGとGMは2011年8月、LGによるChevrolet Volt やOpel Ampera用のバッテリー供給での協力関係を拡大し、電気自動車を共同で開発すると発表した。

2011/8/29 韓国LG、GMと電気自動車の共同開発へ 


GMは昨年発売した5ドアハッチバックタイプの小型電気自動車Spark EV では A123 Systems の電池を使っている。

しかし、2013年1月にA123は中国の万向集団(Wanxiang Group Corporation)に買収されたため、GMはバッテリー購入先から同社を排除し、LG Chemに統一することを決めた。中国への技術流出を警戒し た。

A123 Systemsは2001年にマサチューセッツ工科大学からスピンアウトして設立された。創業者はMITの教授のYet-Ming Chiangで当初、GEが10%出資していた。
リチウムイオンバッテリーの性能を向上させるナノスケール材料を開発した。

同社は、オバマ政権が打ち出したGreen New Deal 政策を通じ、2億4900万ドルの助成金を受けていた。

A123は2012年半ばに資金難に陥った。

同年8月、同社は万向集団(Wanxiang Group)に株式の過半数を譲渡する契約を結んだ。最終的に万向集団は、A123 Systemsの株式を80%まで買い進める計画であった。

しかし、軍事用の先進的なバッテリー開発計画があることから米国の外国投資委員会(CFIUS)の承認が得られず、議会からも、税金で開発した重要な知的財産を外国に売り渡すのかとの批判が相次ぎ、計画をとりやめた。

2012年10月16日、破産法11条の適用を申請した。

A123は米国防総省向け事業はナビタス・システムズに225万ドルで売却することで当局の理解を得た。

2012年12月の競売で
万向集団は2億5660万ドルで落札した。(NECとジョンソン・コントロールズも共同で応札していた。)

この買収は2013年1月に米外国投資委員会から承認を受けた。

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LG Chemは電気自動車用バッテリー分野で、韓国の現代・起亜自動車と電気自動車メーカーのCT&T、米国のGMと自動車用部品メーカーのEaton Corporation、中国の長安汽車、ボルボ、ルノーなど世界中の各社に供給している。

2010/4/29 LG化学、ボルボに電気自動車のバッテリー供給

LG Chem は韓国と米国に次いで、中国にもバッテリー工場を建設する計画を明らかにした。
立地は、南京か広州か天津のいずれかになる。

中国では三星SDIが本年4月に中国の自動車部品メーカー安慶環新集団(Anqing Ring New Group)との合弁会社を設立、サムスン電子が西安で建設している半導体工場の隣接地に工場を建設する。

SK Innovationも2013年7月に北京汽車集団との合弁会社を設立した。


日本の化学会社はリチウムイオン電池の部品(正極材、負極材、電解液、セパレーターなど)で増設を行い、しのぎを削っている。

例 2010/9/13 三菱化学、リチウムイオン二次電池用負極材の製造能力増強

しかし、将来的には中国勢などの進出で競争相手が増え、価格が下がるのは目に見えている。
 
それに対し、LG Chemは早々とシステム開発を行い、システムで世界を制覇しようとしている。

日本の化学会社にとって、将来戦略の手本になると思われる。

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LG Chem は5月18日、日本の宇部マクセルに安全性強化セパレーター関連特許を有償で販売する内容のライセンス契約を結んだと発表した。

LG Chem のSRS技術はバッテリーの核心素材セパレーターにセラミックをコーティングし、熱と機械的強度を高め、内部のショートを防ぐ役割をする もので、リチウムイオンバッテリーの安全性を決める核心技術としている。


韓国の中央日報は「"バッテリー宗主国"日本に特許輸出」と誇らしげに書いている。

 

 


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