SolvayとINEOSの塩ビJV、EUが条件付でようやく承認

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SolvayとINEOSは2013年5月7日、欧州の塩ビ事業を統合し、50/50のJVとする覚書に調印した。

統合対象は欧州のクロルアルカリと塩ビ事業で、詳細は下記の通り。

Solvayの統合対象は欧州の塩ビ事業だけであり、アルゼンチンとブラジルに工場を持つ子会社のSolvay Indupa とタイのJVのVinythaはSolvayに残る。(その後、Solvay Indupa はBraskemが買収した。)

  2012年売上高 対象 対象外
Solvay 19億ユーロ Solvin
(Solvay 75%, BASF 25%)
・塩化ビニリデン
RusVinyl(ロシアのSiburとのJV)
Solvayのクロルアルカリプラント Povoa、Bussi、Torrelavega
製塩プラント(Tavaux、Martorell、Jemeppe)  
欧州の塩素誘導品
(エピクロルヒドリン、CLM、塩酸、Hypo)
 
フランスFevzinのエチレンの42.5%
(残りの出資はTotal)
 
Ineos 24億ユーロ Kerling
(Ineos ChlorVnyl)
ノルウェー Rafnesのエチレンの50%
(残りはIneos)


この覚書には将来のSolvayのJVからの撤退について記載されている。
JV設立から4年から6年の間にINEOSがSolvayの持株を全て買取り、100%子会社とするというもの。

2013/5/15 Solvay、欧州塩ビ事業をINEOSと統合、将来塩ビ事業から撤退 


この計画は欧州委員会の独禁法審査で難航した。

欧州委員会は、新しいJVが欧州北西部で塩ビ管・窓枠用のサスペンジョンPVCで市場支配力を持つため価格が上昇すること、また、Benelux 3国で漂白剤の価格が上昇することを懸念し、2013年11月に徹底調査を開始した。

欧州委によると、S-PVC 市場ではIneosの最強の競合者のSolvayが市場からいなくなる。残るのははるかに小さいメーカーで、抑止力にならず、値上げが簡単に行えることとなる。合併前でも、Ineosは既にかなりの市場支配力を持つ。
他のメーカーはJVに対抗するため増設する力を持たず、輸入品も力はない。需要家も対抗する力を持たない。

Beneluxの漂白剤市場では、新JVは60%以上の市場シェアを持つこととなり、残るのはAkzoだけで対抗力を持たない。

2014年1月22日、両社はEU当局から本件について問題ありとの通知(the statement of objections)を受け取ったと発表した。

これを受け、両社は2月27日、問題解決のため、数箇所のINEOSの工場をJVから除くという改正案を当局に提出した。

2014/3/5  Solvay とIneos、欧州塩ビ事業統合で対案提出

その後、両社と欧州委員会で交渉が続けられ、欧州委員会は5月8日、両社の案を一部修正した条件で、本件を承認した。
JVは市場支配力と価格支配力を持つこととなるため、いくつかの工場をJVから分離・売却し、その購入者がPVC事業でJVと競合しうるようにした。

JV設立は2014年第4四半期で、それまでに売却を実施する。JV設立までは両社が別々に事業を行う。


JVから除外し売却する工場は以下の通りで、全てIneosの工場である。

対象工場 当初の両社提案 最終決定 各工場の由来
PVC

Beek, Geleen (蘭)

Tessenderlo Groupから買収
PVC Mazingarbe (仏)
PVC Schkopau (独)

旧EVC(BSLのプラントを買収、増設)
PVC/VCM

Wilhelmshaven(独) 旧EVC(当初 ICI)
電解/EDC/VCM Tessenderlo (ベルギー) Tessenderlo Groupから買収
EDC

Runcorn (英)  旧EVC (当初 ICI)
《電解》

Runcorn (英)

注) 英国のRuncorn については、EDC工場を売却するとともに、電解工場についてはEDCの購入者と新JVとの間のJVとする。ベルギーのTessenderloは漂白剤も製造する。     
  

新しいJVの工場は以下の通りとなる。

 

 


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