米国が原油輸出を一部解禁

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米国は1973年のアラブ石油禁輸 (Arab oil embargo)に伴い、 米国の石油資源を保護し、米国の消費者が値上げショックを受けるのを防ぐため、1975年12月にEnergy Policy and Conservation Act:EPCAを成立させ、原油の輸出を禁止した。 カナダ向けは特別に輸出可能。

EPCAでは他に、企業別平均燃費(CAFE)の導入、戦略石油備蓄の開始などが決められている。

現在もこの法律は生きており、ガソリンやディーゼルなど精製燃料は輸出できるが、原油そのものの輸出はできない。 

Pioneer Natural ResourcesとEnterprise Products Partners  は6月25日、商務省がテキサスのEagle Ford Shaleの超軽質油を輸出する計画を承認したと発表した。 いずれも個別の申請による承認(private ruling)である。

報道によると、早ければ8月にも輸出が開始されるという。

輸出するのはシェールガスに随伴して出る超軽質油(コンデンセート)で、蒸留装置を通すことで蒸気圧を下げ、揮発性の軽質炭化水素を除外する。
買い手はこれを精製してガソリンやジェット燃料、ディーゼルを生産できる。

Pioneer Natural Resourcesでは、蒸留装置を通すことにより、(許可なしで輸出可能な)加工石油製品と看做しうるという同社の解釈を商務省が認めたと述べた。
同社では原油換算日量43千バレル以上を生産しているが、どれだけ輸出するかは明らかにしていない。

Enterprise Products Partners も、コンデンセートを処理しているため原油ではなく、承認を必要としないが、念のため、この解釈が正しいかどうかを確認したとしている。

商務省では原油輸出についての方針に変更はないとし、Pioneerのやり方は「精製」というには足りないが、コンデンセートをもはや原油とは言えないほど変質させているとしている。


米全土でシェール層からの石油採掘が増えるなか、一部の超軽質原油の生産は十分すぎるほどの量になっており、超軽質油の価格は普通の原油と比べ、バレル当たり10ドル以上安くなっている。

輸出すればもっと高く売れるため、企業は禁輸を緩めるよう、ロビー活動を行っており、企業や政府は1970年代に決めた法律(EPCA)を避ける方法を探していた。

原油の禁輸取消には、原油価格上昇を懸念する米石油精製業界や環境団体は反対姿勢を強めており、与党・民主党内を中心に慎重論も強い。(LNG輸出についてもDow Chemicalなどが反対している。)

このため、「2016年の次期大統領選前にオバマ大統領が法改正を伴う全面解禁に踏み切る可能性は低い」と見られている。

今回の許可を受けて、他社が同様の申請に動くことが予想される。

ブルッキングス研究所によると、来年から日量70万バレルもの超軽質原油が輸出される可能性がある。


 

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