Qatar に発泡ポリスチレン工場建設、湾岸諸国の住宅断熱が主目的

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Ineos は5月29日、EPS Qatar 社に発泡ポリスチレン技術 (INEOS One Step EPS Suspension process) を供与すると発表した。

EPS Qatar はQatarで不動産事業を営むHitmi Ali AlHitmi が設立した会社で、QatarのMesaieed Industrial City に第一期として2017年末までに110百万ユーロを投じて EPS 年産 50千トン設備を建設、3~5年以内に100千トンに倍増するとともに、近い将来、原料のSMも建設するとしている。

建設費の3割はAlHitmi が負担、残り 70% はQatar Investment Bankが融資する。

製品はGCC各国(湾岸協力会議:アラブ首長国連邦・バーレーン・クウェート・オマーン・カタール・サウジアラビア)、北アフリカ、トルコで販売する。

この工場はMENA(北アフリカ・中東)地域で最大のEPSプラントとなる。

GCC地域のポリスチレン能力は以下の通り。(千トン)

    PS EPS  
Saudi Arabia Petrokemya 140 40 Sabic 100% 
原料SMはSADAF (SABIC/Shell)
Saudi Polymers 200   Chevron 35%/National Petrochemical 65%
原料SMはJubail Chevron Phillips
Qatar EPS Qatar   (50) 原料SMは当初は購入

 

GCC各国の主要都市では住宅建設がブームとなっている。現在は重要視されていないが、家庭でのエネルギー消費が大きなシェアを占めるため、今後、住宅の省エネが必要となるのは必至である。

不動産事業を営むHitmi Ali AlHitmi はここに目をつけ、EPSの製造に乗り出した。

EPSはGCC各国と北アフリカの将来にとり非常に重要な製品であるとする。

「家庭でのエネルギー需要は増え続けており、これに対応できなくなる。省エネを考えることが必要だ。
 3 bedroom + living room の住宅では4つのエアコンが必要だが、EPSで断熱した家の場合は2つのエアコンで済む。」

これを立証するため、AlHitmi は昨年3月にDohaに全く同じ家を2軒(1軒はEPSで断熱、1軒は断熱無し)を建てた。冷房で50%の省エネを期待している。



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