ロシア産石炭、北朝鮮経由で韓国に

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ロシア産の石炭を北朝鮮の羅津港に鉄道で運び、羅津港から貨物船で韓国の浦項港に運ぶテスト輸送が実施される。

シベリアの鉱山で採掘された石炭45千トン、400万ドル相当をまずロシア極東沿海地方のハサン(Khasan)から鉄道で北朝鮮北東部の羅先経済特区の羅津港(Najin) に運び、羅津港で中国船籍の貨物船に載せて韓国・浦項港に運ぶ。11月29日に浦項港に到着する。

石炭は韓国鉄鋼最大手のポスコが製鉄の燃料として使用する。

事業に参加するポスコ、現代商船、KORAIL(韓国鉄道公社)のコンソーシアムの関係者は空路でロシア極東のウラジオストクに移動し、鉄道で北朝鮮の羅津港に入り、ロシア側と合同で、石炭の荷役と船積み、船舶の出入港、鉄道・港湾連結線など、陸・海運複合物流プロセス全般について技術的な点検を行った。

ハサン―羅津間の全長約54キロの鉄道の線路の補修工事については、2008年に、ロシア鉄道社長と北朝鮮の鉄道相によって調印され、合弁企業「羅先・コン・トランス(RasonconTrans、出資率はロシア側70%、北朝鮮側30%)を設立した。鉄道補修のほか、羅津港第3号埠頭の近代化、複合物流事業などを進める。

鉄道補修は完了、2013年9月に直通列車の運行が始まったが、2013年11月に韓ロ首脳会談で、この補修工事を実施し、羅先地域の開発事業を手掛ける「羅先コントランス」に、韓国のポスコ、KORAIL、現代商船の3社で作るコンソーシアムが出資することに合意した。

韓国側コンソーシアムは、ロシア側持分の70%のうちの34.3%を2000億ウォン(約185億円)台の価格で取得する覚書を交わした

朴政権は「ユーラシア・イニシアチブ」(ユーラシア大陸の物流・エネルギー協力を促進する政策)を掲げており、その初の具体的な成果になるとみて、対北朝鮮制裁措置の例外と規定し、積極的に支援している。

将来、韓国と北朝鮮の南北縦断鉄道が接続されてシベリア横断鉄道につながれば、釜山からモスクワ間まで10日以内に到着できる。

韓国国土交通部はロシア運輸省と鉄道・交通に関する覚書を交わした。

 


この事業が本格的に稼動すれば、ポスコなどの韓国企業がロシアの石炭を以前よりも安く輸入できるようになると期待されるが、政治面での不安定性がネックになる。

北朝鮮との経済協力事業には大きなリスクが伴うため、コンソーシアムの3社は本契約の締結に先立ち、韓国政府が投資金を融資し、事実上の政府保証を付けることを求めている。

北朝鮮とロシア側の事情で全般的に事業が遅れており、年内の本契約は難しいとされる。

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羅先経済特区は北朝鮮が1991年に、中国の経済特区をモデルに咸境北道の羅津(ナジン)と先鋒(ソンボン)を合わせて指定した「羅津-先鋒自由経済貿易地帯」で、北朝鮮は2010年1月、羅先市を特別市に昇格させ、海外からの投資が円滑に進むよう羅先特区法を改正した。

201012月、北京の国有企業の商地冠群投資有限公司が北朝鮮朝鮮投資開発連合体と10項目の投資意向書を締結した。
2-3年で羅先経済特区の建設に必要なインフラを建設し、5-10年かけて北東アジア最大の核心工業特区を建設するという。

計20億ドルを投資し、火力発電所、道路、タンカー専用埠頭、石油精製工場、製鉄所を建設する計画であった。

しかし、羅先貿易区は北朝鮮の張成沢国防委員会副委員長が推進していたもので、その失脚後は中国による開発は"開店休業"状態となっている。

2013年12月12日、北朝鮮の金正恩政権は張成沢を死刑に処した。
特別軍事裁判では張の罪状の一つとして「羅先経済貿易地帯の土地を50年の期限で外国に売ってしまう売国行為」を挙げ、羅先特別市の租借は張の意向であり、なおかつ「売国」であるとの認識を示した。
 

中国と北朝鮮の協力事業については、 2011/6/11 中国・北朝鮮国境で「経済地帯」着工式 参照

 

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