旭化成ケミカルズ、 ポリカーボネート樹脂原料の新製法を開発

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旭化成ケミカルズは1月19日、ポリカーボネート樹脂の原料であるジフェニルカーボネートの新製法を開発し、この製法の実証プラントを水島製造所内に建設することを決定したと発表した。

プロセス実証プラント計画概要

(1)立地

旭化成ケミカルズ株式会社 水島製造所B地区(岡山県倉敷市)

(2)能力

1,000トン/年

(3)稼働予定

2017年1月

ポリカーボネート樹脂の従来の製法は一酸化炭素と塩素から製造されるホスゲン(毒ガス)を原料としている。
ホスゲン法はホスゲンの毒性問題や環境面での問題をもっている。
 

2006/4/14 ポリカーボネートと原料ビスフェノールA
 

旭化成は世界で初めてのCOからの非ホスゲン法PC樹脂製造技術を開発した。

同社が非ホスゲン法の開発に着手したのは1977年で、1988年に実証プラントを稼働した。
エチレンオキサイドと副生CO及びビスフェノールAを原料とし、高性能のPC樹脂と高純度EGの2つの製品を高収率で製造するものである。

旭化成は、25年の歳月をかけて実用化に成功したこの独自技術を、国内でも海外でも自らは使用していない。
製造技術をPC樹脂メーカーに供与し、対価を受け取るライセンス契約を締結し、この技術を世界に展開するというユニークな戦略を取っている。

2002年6月から台湾で奇美実業との合弁会社(旭美化成)で100千トンのプラントを稼動させたが、現在、4カ国5社にライセンスし、合計能力は665千トンに達する。

2013/12/14    旭化成のポリカーボネートのグローバル展開戦略

 

今回開発したプロセスは、二酸化炭素とアルコールおよびフェノールを原料とし、独自の触媒を用いてジアルキルカーボネートを経由してジフェニルカーボネートを製造する もの。

従来の同社の非ホスゲン法と異なりエチレンオキシドを原料としないため、エチレンセンターに依存せず、製造場所の立地制約が緩和される。
また、反応が簡素化され、従来の同社法に比べてエネルギー使用量の低減ならびに生産コスト削減にも寄与する。

同社はこの新製法も自社では使用しない模様で、今回の新製法の開発により、ライセンス事業の競争力を強化するとしている。





 

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