福島原発汚染水処理の実態

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東京電力は1月23日、福島第1原発構内のタンクに保管している高濃度汚染水の2014年度内の全量浄化処理を断念する方針を決め、経済産業省に伝えた。
浄化処理完了の見通しは5月中としている。

しかし、河野太郎衆議院議員によると、東電は「汚染水処理」の定義を変えており、5月中の処理完了も不可能である。

これを受け、経済産業省は2月24日、高濃度の汚染水の浄化を終える時期が2015年度中になるとの見通しを示した。
この日の自民党部会で、5月に終わるのはストロンチウムの除去であり、汚染水を十分に放射線量が低い状態まで浄化するには「6月から数カ月かかる」との見通しを示した。

2015/2/16  福島第一原発の汚染水、年度内処理断念


東京電力は3月16日、放射能汚染水について、下記の通り発表した。

 ・ 目標の5月までに「処理」しきれない分が2万トン(全体の3%)に上る。

「RO濃縮塩水の処理は、事故後、早い段階で発生した海水成分の多い汚染水約3%(約2万トン)を除き、5月末までに完了する予定。」

事故後、早い段階で発生した海水成分の多い汚染水は、
・カルシウム・マグネシウムの影響で定格流量運転ができず、時間を要することが判明。
・処理には、さらに数ヶ月を要する見込み。

 ・ (河野代議士のいう通り) 「処理水」にはストロンチウム処理をしただけのものが大量にあり(5月末で全体の31%)、
  これらは今後、ALPS処理をする。

「ALPS以外で処理をしたストロンチウム処理水については、今後、ALPSで再度浄化し、さらなるリスク低減を図る。」

* ここまでの「処理」はMETI定義の「処理」で、トリチウム以外の核種も残っている。

  ・ ALPSで処理した水のうち、過去の装置トラブル時に浄化性能が低下した際の処理水があり、再度浄化を進める。

「ALPSで処理した水のうち、過去の装置トラブル時に浄化性能が低下した際の処理水については、再度浄化を進める。」

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ALPSでは、除去不可能な トリチウムを除き、62核種が除去できるとされてきた。

ところが、当初の処理分で4核種が除去できていないという。

河野代議士の「ごまめの歯ぎしり」(2015/3/18)によると、3月10日の衆議院予算委員会第7分科会で上田エネ庁長官が、「特に早期に処理をしたものについては、コバルト60、ヨウ素129等々の一部の核種が相当程度残っているという部分がある」と説明した。

これらの水の処理をどういうふうにしていくのかということについては、東京電力とも十分今後相談していきたいとしている。

自民党の秋本代議士の質問に対するものだが、宮沢経産大臣はこのことを直前に知ったという。
ALPSに改めて通すかどうか、未定という。

 

このことは昨年(2014年)2月5日の原子力規制委員会の会議で報告されている。

東京電力の事故対策室長が次のように報告している。

多核種除去設備ですけれども、こちらにつきましては、まだ除去性能が十分に現れていない核種が4つほどあるということで、追加的な吸着塔の設置の検討をしておりまして、その性能確認のためのいろいろな試験を続けているところであります。

試験結果につきましては、来月ぐらいに出るということも報告を受けておりますので、---

その後、改良を行って62核種が全て処理できるようになったと思われる。

しかし、2014年度中に汚染水の全量浄化処理を完了するとしながら、4核種の残った処理水の扱いは1年間、放置されていたことになる。

会議では田中委員長が司会をしており、この事態は当然知っていると思われるが、処理を促した形跡はない。

 



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