中国のシルクロード基金が初投資、パキスタンで水力発電所整備へ

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中国の習近平国家主席は就任後初めてパキスタンを訪問し、4月20日、シャリフ首相と首脳会談を行った。会談後の共同声明によると、両国は協力してパキスタンの道路や港湾、水力発電所の大規模なインフラ整備を進めることで合意した。


パキスタン政府によると、その規模は280億ドルで、このうち、水力発電所のプロジェクトには、昨年末に設立されたばかりの中国政府系の投資ファンド「シルクロード基金」が初めての投資を行う。

 総事業費は約450億ドルで、中国側は投資や低利融資で支援するが、まず、約280億ドル分について着手する。

中国政府は一帯一路」と呼ぶ「21世紀の陸と海のシルクロード」を造る構想を掲げているが、新疆ウイグル自治区の喀什(カシュガル) からパキスタンのアラビア海を臨むGwadar 港を結ぶ中国・パキスタン経済回廊をその一区間と位置づけている。

パキスタン政府は2013年1月30日、パキスタン南西部のGwadar港の港湾管理権をシンガポールのThe Port of Singapore Authority (PSA)から中国のChina Overseas Port Holding Companyに移譲することを閣議決定した。

この調印式が2月18日、イスラマバードの大統領府で駐パキスタン中国大使らが出席して行われた。

Gwadar港は南アジアと中東を結ぶインド洋の戦略的要衝で、中国は中東やアフリカから石油を運ぶための拠点を確保したことになる。
今後、原油貯蔵設備や製油所を建設するとされる。


2013/2/20 中国、パキスタンのグワダル港の運営権を取得

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習近平主席は2014年11月4日、中央財経指導グループの第8回会議を招集し、 「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海のシルクロード」計画 (一帯一路構想)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)およびシルクロード基金の設立という「中国版マーシャルプラン戦略」について検討を行った。

APEC閣僚会議が開かれた2014年11月8日にバングラデシュ、タジキスタン、ラオス、モンゴル、ミャンマー、カンボジア、パキスタンの首脳と「相互接続パートナーシップ強化対話会議」を開催した。

習主席は「『シルクロード経済圏』と『21世紀の海のシルクロード』を建設しよう」と呼びかけ、中国が400億ドルの「シルクロード基金」を創設すると表明した。

2014/11/13 中国のシルクロード経済圏構想 

シルクロード基金を運用する絲路(シルクロード)基金有限責任公司は外貨準備、中国投資有限責任公司、中国進出口銀行、国家開発銀行の共同出資で、2014年12月29日に北京市内で登記され、第1弾として100億米ドルの資金募集を終えている。

シルクロード基金は市場化、国際化、専業化の3原則を順守、アジアインフラ投資銀行(AIIB)と連携し、アジア地域のインフラ整備や経済交流を進める「一帯一路」構想を実現する。

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シルクロード基金は中国長江三峡集団傘下でパキスタンのPrivate Power and Infrastructure Board と共同で開発に当たる三峽南亜公司(China Three Gorges South Asia Investment)に出資し、パキスタン北東部のJhelum川のKarot 水力発電所の整備に乗り出す。

この水力発電所計画は李克強首相が2013年5月に提案したもので、水力発電所は容量72万キロワット、年間3,213メガワット時の規模で、投資額は16億5000万ドルを見込んでおり、2020年の稼働を目指し、15年末に着工する。

シルクロード基金は中国輸出入銀行や他の金融機関とともに融資を行う。

基金は更に、三峡集団などとともにこの地域での水力発電をすすめ、能力を3,350メガワット時にまで拡大し、電力供給を改善し、パキスタンの経済発展に資する。




 

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