ニューヨーク近郊の原発 、変圧器火災で自動停止

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ニューヨーク近郊にあるIndian Point 原子力発電所で5月9日午後6時ごろ、変圧器から火が出て運転中の原子炉が自動停止するトラブルがあ った。

運営するEntergy Corpによると火はすぐに消し止められ、けが人などは出ていない が、2基の原子炉のうちのUnit 3が手順に基づき自動停止した。

NRCによると、火が出た変圧器は原子炉の建屋から180メートルほど離れた場所にあり、原子炉の状態も安定して おり、外部への影響はないという。

しかし、この火災で変圧器が破裂して石油が地面に流れ出し、保水タンクからあふれてハドソン川に大量の石油が流出し、環境への影響が懸念されている。
NRCは、流出した石油の量を数千ガロンと推定している。

クオモ知事はハドソン川の野生生物に及ぼす影響について、「明らかに良くない」との見方を示し、生態系への影響についてさらに詳しく調査すると表明した。

Indian Point 原発はニューヨーク中心部から北におよそ60キロほど北のハドソン河沿いにある。

現在、2基が動いている。

  炉型 能力 運転開始 状況  
1号機 加圧水型 275MW 1962 1974停止  
2号機 同上 1,025MW 1973 運転中 2013/9に40年期限、20年延長審査中
3号機 同上 1,040MW 1976 運転中 2015/12に40年期限、20年延長審査中


2号機は既に40年期限が到来しているが、期限の5年前に延長申請を提出している場合、"Period of Extended Operation" 規定で稼動継続が認められる。
 

ニューヨーク市民の総電気使用量の30%は Indian Point 原発から供給されている。
ニューヨークは送電線が過密状態のため遠方から電力を受け入れる能力が制限されており、市への電力供給の安定性はIndian Pointに大きく依存している。


同原発はこれまでも変圧器事故などを起こしており、2012年の変圧器事故での川への石油流出では罰金を課せられている。
いくつかの環境グループが原発の永久停止を要求していた。

福島の原発事故では、米国は在日米国人に対し80km 圏内を立ち入り禁止としたが、Indian Point原発から半径80km 内には、ニューヨーク市の800 万人を含め2,000 万人近くの人々が居住している。

仮に事故が起こった場合、これだけの人数を避難させることは不可能で、東日本大震災後、ニューヨーク州知事の側近が運営会社に施設閉鎖の方針を伝えたと報じられた。

同原発は、日に25 億ガロン(94.6 億リットル)の水を冷却水としてハドソン川から取水しているが、NRCからライセンス更新許可を得るためには、州政府からハドソン川の取水許可を得る必要がある。

今回の石油流出を含め、厳しい立場に立たされている。


日本人の多く住むWhite Plaines も近くにある。
ニューヨークの日本総領事館でもホームページにIndian Point原発の「緊急災害のための心構え」を掲載している。
   http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j4/01.html

 

 

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