富士製薬工業も同日、発表した。
「ダルベポエチンアルファ」は協和発酵キリンが開発したもの(商品名:ネスプ)で、腎性貧血の治療に用いられる持続型赤血球造血刺激因子製剤であり、保存期慢性腎臓病および腹膜透析の腎性貧血患者に対し貧血の症状を改善する目的で、日本国内で広く使用されている。
赤血球や白血球の元となる細胞が「赤血球へ変化せよ」というシグナルを受け取ることにより赤血球の細胞へと変化するが、このシグナルとなるのがエリスロポエチン(EPO)という物質である。
エリスロポエチンは腎臓で生成されるが、腎臓の機能が落ちている慢性腎不全の患者では、エリスロポエチンを産生する能力も落ちているため、赤血球が作られず、貧血に陥る(腎性貧血)。
腎性貧血を治療するため、エリスロポエチンと同じ働きをする物質を外から補う薬は今までも存在していたが、半減期が短いという欠点がある。
半減期を長くすることで週に1回の投与にした薬がネスプである。
ネスプの世界市場規模は約2500億円に達する。 鐘根堂では、「ネスプのバイオシミラーの中でCKD-11101の開発が最も先行している」とし、「日本市場に参入することによって、グローバル市場に進出する足がかりをつくった」と強調した。
鐘根堂は2018年の発売を目標にCKD-11101の臨床第Ⅲ相試験を進行中。
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富士製薬は1965年設立の医薬会社で、製品は下記の通り。
急性期医療分野
非イオン性 尿路・血管造影剤
非イオン性MRI用造影剤
バイオ後続品 遺伝子組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤
「フィルグラスチムBS注シリンジ『F』」女性医療分野
月経困難症治療薬
不妊症治療薬
体外診断用医薬品
CKD-11101は、富士製薬が2013年に発売した遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)製剤の「フィルグラスチムBS注シリンジ「F」」に次いで開発するバイオ後続品になる。
フィルグラスチムは、血液中の好中球の産生や機能を高める作用等を持ち、がん化学療法による好中球減少症治療等の新たな選択肢となる。
富士製薬がジーンテクノサイエンスと共同で開発を開始し、その後持田製薬と共同で開発した。日本化薬とテバ製薬も2013年2月に同剤のバイオシミラーの製造販売承認を取得している。
欧州各国でTeva Pharmaceutical が販売しているバイオシミラーと同じ原薬を使用する。
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