アジアインフラ投資銀行の開業式典 

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アジアインフラ投資銀行(AIIB)の開業式典が1月16日午前、北京釣魚台国賓館で開催された。

2015年6月29日の設立協定の調印式では、創設メンバーとして参加を表明していた57か国のうち、フィリピンなど7か国が設立協定への署名を見送った。

その後、これら各国も順次署名し、最後に残ったフィリッピンも発言権などで優遇される「創設メンバー」の地位を得る最終期限である12月31日に署名、全57カ国が署名した。

AIIBは、協定に署名した国々のうち10カ国以上が協定を批准し、批准国の出資金の合計が全体の50%以上に達した段階で設立される仕組みだが、中国は11月4日に批准した。英国のオズボーン財務相は12月3日、 英国がG7の中で最初に批准したことを明らかにした。

その後、ドイツ、韓国、オーストラリアなどが批准し、12月25日時点で17カ国・出資金の合計 50.08%となり、発足した。

2015/12/26 アジアインフラ投資銀行 発足 

中国の習近平国家主席が式典で挨拶し、「各メンバー国の共同の努力により、AIIBは必ずや、専門的、効率的でクリーンな21世紀の新型多国間開発銀行となり、人類の運命共同体を構築する新たなプラットフォームとなり、アジアと世界の発展・繁栄促進に貢献を果たし、世界経済ガバナンスの改善に力を添えることができるだろう」と強調した。

AIIBの設立・開業は、アジア地域のインフラ投資を効果的に増やし、地域の相互連結と経済一体化を推進するばかりでなく、アジアの途上国の投資環境改善、雇用創出、中長期の発展の潜在力向上に役立ち、アジアおよび世界経済の成長にプラスの作用をもたらすだろう。

AIIBは開かれた地域主義を貫き、既存の多国間開発銀行と相互補完し、その強みと特色でもって既存の多国間体制に新たな活力を注ぎ、多国間機関の共同発展を促し、互恵・ウィンウィンの、専門的・効率的なインフラ投融資のプラットフォームになれるよう努力しなければならない。

AIIB提唱国である中国は、確固としてその運営と発展を支援していく。期日通りに資本金を支払うほかに、間もなく設立されるファンド「プロジェクト準備特別基金」に5千万ドルを拠出し、後進国メンバーのインフラプロジェクト実施を支援する。

AIIBは各メンバー国のものであり、地域と世界の共同発展を促進するためのものだ。我々は、各メンバー国の共同の努力により、AIIBが必ずや、専門的、効率的でクリーンな21世紀の新型多国間開発銀行となり、人類の運命共同体を構築する新たなプラットフォームとなり、アジアと世界の発展・繁栄促進に貢献を果たし、世界経済ガバナンスの改善に力を添えることができると信じ、期待している。

開業式典では、AIIBの創設メンバー57カ国の代表団団長がAIIBの正式な開業を表すボタンを共に押し、習近平主席がAIIBのシンボルとなる「点石成金」のモニュメントの除幕を行った。

このシンボルには、AIIBを通じて「石を金に変える」奇跡を生み出し、アジアおよび世界経済の持続可能な発展を推進したいというメンバー国の期待が込められている。


AIIBの金立群・初代総裁が1月17日、北京市内で就任後初めて記者会見した。

AIIBの仕事のやり方を "Lean, Clean and Green" であると述べた。

Lean:with a small efficient management team and highly skilled staff
Clean:an ethical organization with zero tolerance for corruption
Green:an institution built on respect for the environment

官僚的な組織の非効率さなどを指摘される既存の国際機関の欠点を乗り越えることで、存在感を発揮したい考えで、「実行力を伴う21世紀型の国際開発銀行にする」と語った。

参加を見送っている日米などには、「ドアは開き続けている」と述べ、引き続き、参加を歓迎する考えを示した。

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