日本の12の神薬

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2015年3月に中国の李克強首相が会合で、中国人による日本の温水洗浄便座の購入を取り上げ、話題になった。

2015/11/14 中国人の日本での温水洗浄便座購入 


本年の春節連休期間には中国人観光客600万人が海外に出かけ、900億元(約1兆5577億円)を消費して、過去最高を更新した。
日本の場合、同期間の中国人観光客は前年比52%増加し、大阪高島屋は免税販売の金額が同2.6倍増加するという記録をうち立てた。


最近は中国人観光客による爆買いが、目薬や鎮痛剤といった一般医薬品に広がっている。

2014年に中国のメディアで日本で絶対に買うべき薬として「日本12神药(12の神薬)」が紹介され、ブームになった。
中国では「神」とは「すばらしい」といった意味で使われている。

紹介されたのは次の12で、うち小林製薬の製品が5つ含まれている。

目薬
 サンテ ボーティエ

 参天製薬

消炎鎮痛剤
 アンメルツ ヨコヨコ

 小林製薬

液体絆創膏
 サカムケア

 小林製薬

冷却剤
 熱さまシート

 小林製薬

頭痛薬
 イブ クイック

 エスエス製薬

消炎鎮痛剤
 サロンパス

 久光製薬

外皮用薬
 ニノキュア

 小林製薬

ビタミン剤
 ハイチオールC

 エスエス製薬

便秘薬
 ビューラックA

 皇漢堂製薬

口内炎治療薬
 口内炎パッチ 大正A

 大正製薬

女性保健薬
 命の母A

 小林製薬

のど薬
 龍角散

 龍角散

小林製薬の外国人向け売上高は、2016年3月期決算で41億円に上る見通しという。

同社では、「熱さまシート」について中国人好みの金色パッケージを用意した。液体ばんそうこう「サカムケア」は売り上げの7割が外国人で、2015年1月に宮城県の工場に専用の生産ラインもつくった。

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中国国際貿易促進委員会の研究員は、「豊かになった中国人消費者は購入する商品の品質やブランドにより高い要求を出すようになった。一連の国内の小型商品メーカーは品質の飛躍と世界におけるブランド知名度の向上を追い求めるが、まだニーズを満たせてはいない」と指摘する。
消費の流出は中国人消費者の巨大な購買力を明らかにするとともに、国内の商品の供給と消費者の需要との間にはズレがあることも示している。

本年1月末に中国メディアが、湖北省の政協委員(人福医薬集団の董事長)が「中国人が日本へ行って風邪薬を買うことは、中国の製薬会社の恥だ」と述べたことを伝えた。

小さな風邪薬を買うのに多くの人が外国製を選ぶことは、結局のところ中国製薬会社には普遍的にイノベーションが欠けているからで、薬品の品質が、向上し続ける消費者のニーズを満たしていないためであると指摘した。

これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「恥ずかしいことは粉ミルク、紙おむつ、炊飯器、便座など他にもたくさんある。反省すべきは1つの業界だけではない」

「偽薬が多すぎるし、本来は安い薬が高く売られているからだ」

「中国は技術が欠乏しているわけではない。良心が欠乏しているだけだ」

「イノベーションに欠けているのではなく、革新的すぎるのが問題だ。ミルクにメラミンを加えるという革新的な事を他の誰ができる?」

中国では2008年に石家荘三鹿集団のメラミン混入粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石となるケースが相次ぎ、5人が死亡、多数が入院した。
調査の結果、他の22社の69品目からメラミンが検出された。

2008/9/29 中国粉ミルク汚染事件のその後

「貧乏人には関係のない話だ。貧乏人はそれでも中国の薬を飲むしかない」

Record China から)

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