東京ガス、米国のEagle Ford層におけるシェールガス開発事業への事業参加

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東京ガスは6月21日、VirTex Groupがテキサス州南部ウェブ郡・ラサール郡に保有するEagle Ford 層他におけるシェールガス開発事業の権益を取得したと発表した。

VirTex はこの鉱区でBP及びLewis Energy Group とパートナーを組み、25%の持分を有するが、これを買収する。

本事業に必要な支出額は最大で約80億円、ガス生産量持分はLNG換算で約20万トン/年(20年平均)と見込んでおり、生産物は今後、米国内市場に販売する。

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東京ガスが米国でシェールガス開発事業の権益を取得するのは、テキサス州 Barnet堆積盆におけるシェールガス開発事業に続き2件目となる。

2013年3月にQuicksilver Resources Inc.から、米国テキサス州バーネット堆積盆におけるシェールガス開発事業の権益25%を485百万米ドルで取得した。

同社持分のガス生産量は、LNG換算で約35~50万トン/年と見込んでおり、米国内市場に販売する

2013/4/2 東京ガス、米国でシェールガス開発事業に参加 


その後、東京ガスはガス・原油価格下落の影響等を踏まえた事業価値の再評価をおこなった結果、本投資で2015年3月期に230億円、2016年3月期に128億円、合計 358億円の減損損失を計上した。

豪州のクイーンズランド・カーティスLNGプロジェクトについても、2015年3月期に65億円、2016年3月期に148億円、合計 213億円の減損損失を計上している。

今回、資源安により権益の取得価格が低下していることから、投資額を抑え優良な権益を取得し、将来的な利益確保を狙う。

同社の2つの買収の対比は下記の通りで、今回は非常に割安となっている。

取得 LNG換算持分 取得価額 取得時 
 WTI価格
Barnet 2013/3/29 35~50万トン/年 約520億円
(減損358億円)
$97.23
Eagle Ford 2016/6/21 20万トン/年 約80億円 $48.85

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東京ガスは2020年に向けた経営計画「チャレンジ2020ビジョン」で、ガス上流事業の拡大と海外でのLNG Value Chain の構築を掲げ、今後も投資を積極的に進める。

原料調達および海外上流事業の多様化・拡大

・非在来型ガス(CBM・シェールガス)を含む多様なソースからの調達・上流事業参画
・中小規模LNGプロジェクトやフローティングLNG等、新しいコンセプトのプロジェクトからの調達・上流事業参画
・必要に応じた他企業との共同調達の推進
・調達数量の増大に応じたLNG船団の拡充

地域ごとにLNGバリューチェーンを構築し、併せて地域間でのバリューチェーン展開を目指す。

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