カリフォルニア州のPacific Gas and Electric、再生可能エネルギーに転換、同州最後の原発を2025年に閉鎖

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カリフォルニア州の電力会社 Pacific Gas and Electric (PG&E) は6月21日、労働組合や自然保護団体などとのJoint Proposal を発表、エネルギー効率アップ、再生エネルギー、エネルギー貯蔵に対する投資を現在の規定以上に増やし、2025年までにカリフォルニア州での原発を停止する。

Joint Proposal のメンバーは下記の通り。
 PG&E
 International Brotherhood of Electrical Workers Local 1245、Coalition of California Utility Employees
 Friends of the Earth、Natural Resources Defense Council、Environment California、Alliance for Nuclear Responsibility

停止するのは、Diablo CanyonのWestinghouseのPWR原発2基(各1,100MW)。

No.1 は2024年11月2日、No.2 は2025年8月26日に認可期限が来るが、PG&Eでは原発ライセンスの更新手続きを中止する。

カリフォルニア州の新しいエネルギー政策はDiablo Canyon原発の電力のニーズを著しく減らす。

気候変動に関する法案(SB-350:別名50/50/50法案)は下記を義務付ける。
 (1)2030年までに建物の電力効率を50%改善する
 (2)2030年までに電力会社は電源の50%を再生可能エネルギーで賄う
 (3)2030年までに自動車とトラックの石油使用量を50%削減する

停止までの 8 - 9年間で原発の電力を温室効果ガスのないソースに置き換える。原発2基の電力を、コスト競争力のある温室効果ガス無しのエネルギー効率アップ、再生エネルギー、エネルギー貯蔵の組み合わせで置き換える。

PG&Eでは2031年までに再生エネルギーの比率を55%にまで高める。これは米国のエネルギー会社で例のない自主的なコミットメントである。

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カリフォルニア州では2013年にSan Onofre原発の廃炉が決まっており、これで同州から原発がなくなる。

Southern California Edison 2013年6月7日、三菱重工業製の蒸気発生器の配管破損で前年から停止中の米カリフォルニア州南部のSan Onofre原発 全2基を廃炉にすると発表した。

2号機は1983年、3号機は1984年にスタートした。
三菱重工業は2号機、3号機の取替用の蒸気発生器を各2基 納入した。

San Onofre原発は2012年1月31日、3号機の蒸気発生器の配管から水が漏れて緊急停止、微量の放射性物質が漏れた可能性もある。定期点検中の2号機でも配管摩耗が見つかり、NRCはすべての稼働を禁じた。

Edisonは2012年10月、2基のうち1基を7割の出力で稼働する計画をNRCに出したが、市民団体や一部議員が反対、NRCも公聴会を重ねるなどして判断に時間がかかり、「再稼働できるかどうか、できたとしてもいつになるか不安定な状態がこれ以上続くのは、利用者や投資家にとってよくないとの結論に至った」とコメントを出した。
2013年6月7日、全2基を廃炉にすると発表した。

Southern California Edisonは2013年10月16日、米国で仲裁を申し立てた。本件契約の保証義務違反等に基づき、三菱重工に対し40億米ドル以上の損害賠償を求めている。

付記

2015年10月、請求額が75.7億米ドルで確定

2016年7月14日、請求額を66.67億米ドルに変更したことが判明

これに対し、三菱重工では、契約上の同社の責任上限は約1億3,700万米ドルであり、代替燃料コストを含め間接損害は排除されているとしている。

2013/10/22 米国原発会社、三菱重工業の蒸気発生器の欠陥で仲裁申立て 

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