三井物産、豪州油田開発事業の最終投資を決断

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三井物産は6月27日、40%権益を保有する西豪州沖合の未開発油田群の商業開発につき、60%権益を保有するオペレーター のWoodside Energy と共に、最終投資の決断をしたと発表した。

今後約19億米ドル(物産の持分約 8億米ドル)を投資し、生産井の掘削、海底設備工事等を行い、2019年央の原油生産開始を目指す。


三井物産は2004年3月、豪州最大手石油・ガス開発会社であるWoodside Energyが100%権益保有する豪州北西海上 のWA- 28-L鉱区とWA-59-L鉱区の各40%権益を取得した。
権益取得対価は約464.5百万米ドル。


両鉱区は、豪州における主要油田・ガス田が存在する西豪州北西沖合い約60km のCarnavon堆積盆地にある合計面積3,261 km2の海上鉱区で、既発見未開発油田としては豪州最大級の埋蔵量規模を誇る油田群(Enfield油田、Vincent 油田及びLaverda油田が賦存しており、3億バレル程度の埋蔵量が期待でき るとした。

2006年7月24日、Enfield油田において原油生産を開始した。同油田の生産設備は10万バレル/日の生産能力を持 つ。

2008年8月27日、Vincent油田において原油生産を開始した。生産量は約5万バレル/日 。

2012年8月上旬に生産開始以降の両油田の累計生産量が1億バレルに到達した。


今回、Enfield 油田、Vincent油田と同じエリア内に存在する既発見油田群(2000年発見のLaverda油田とその上部にあるNorton油田、2010年発見のCimatti油田)を開発 する。
期待可採埋蔵量は原油約69百万バレル(100%ベース)。

Vincent油田で使用されている浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO) Ngujima-Yinに海底パイプラインで接続し、処理する。


原油価格下落の効果で採掘コストや資機材のコストは下がっているうえ、単独開発と比較して大幅に初期投資・操業費を抑えた開発と一体操業を行 うことで、仮に現在の低市況が継続した場合でも経済性を確保できる見込みであることから、商業化推進の判断に至った。

現在Enfield 原油、Vincent 原油は物産の100%子会社Mitsui & Co. Energy Trading Singaporeと Woodsideを通じて共同販売しており、本プロジェクトから生産する原油も同様に販売を行う予定。

また開発対象鉱区内外にはこの他に複数の既発見未開発埋蔵量があり、引き続き探査・評価作業を通じて商業化可能性を検討 する。

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三井物産は2016年3月期に多額の減損損失を計上し、赤字決算となった。

事業分野 内容 主な理由 当期損益
税引き後 
  億円
金属 チリ銅事業 Anglo American Sur 銅価格見直し等 -900
カセロネス銅事業 -250
ブラジル資源事業 Vale 減損 -350
豪州石炭事業 長期石炭価格 -250
エネルギー 豪州Browse LNG事業の減損 開発計画遅延 -400
その他原油・ガス資産の減損 長期原油・ガス価格 -150
機械・インフラ 海外発電事業の減損 長期電力価格 -300
合計 -2,600

今回の決定は、赤字計上後では初となる資源・エネルギー分野への大型投資である。原油市況が底値に近いと見て投資を決めた。

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