世界初の太陽光発電道路「Wattway」開通

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フランスのノルマンディの町Tourouvre で12月22日、世界初の太陽光発電道路 "Wattway" の開通式が行われた。

「Wattway」は、フランスの道路建設会社のColasが、フランスの国立研究機関 INES (National Institute for Solar Energy) との 5年間の共同開発により確立した太陽光発電を行う道路。

開通した区間は約1kmで、基盤材とプラスチックで挟まれた2,800 m2の太陽光パネルで覆われている。この道路の交通量は1日2000台。

太陽電池を埋め込んだ道路としては、2014年にオランダ のアムステルダムの北西約15kmで開通した SolaRoad があるが、これは荷重の小さな自転車用の道路で、Wattway は自動車用道路として世界初を名乗っている。

道路の表面は太陽に照らされているが、車が通って日光がさえぎられるのは 10%程度であり、残りで発電しようというもの。但し、パネルを水平に置くため、効率は悪い。

Colas では、理論的にはフランスの100万kmの道路のたった 1/4に敷き詰めると、フランスはエネルギーを自給できるとしている。

Wattway の 建設コストは約500万ユーロで、2年間の試験運用の間に、道路周辺の住民3400人が暮らすのに必要な電力を供給できるかどうかを確認する。

仏エコロジー・持続可能開発・エネルギー大臣Ségolène Royalは開通式典で、「フランスを走る1000kmあまりのハイウェイがこの太陽光発電道路になることを望む」と語った。

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太陽光パネルは非常に頑丈なプラスチックで覆われており、テストでは100万個のトラックタイヤが通るのにも耐えられたとしている。重いトラックが走っても問題ない。


タイヤが滑るのを避けるため、表面のプラスチックには凹凸がつけてある。

但し、雨が降った場合、水がパネルの上にたまり、ハンドルやブレーキが利かなくなるハイドロプレーニングが起こらないか、懸念する声がある。
また、自動車の走行によるすり減りや耐久性に懸念もある。

これらの実現のためには技術的なブレイクスルーがあり、2つの特許でこれらを保護しているという。

道路工事の工程が必要なく、舗装道路上にそのまま装着できるようになっている。

Colasでは耐用年数を少なくとも10年としており、交通量が少ない場合は約20年としている。

問題はコストで、屋根に設置する太陽光発電が 1 kilowatt-peak (発電力が一定しない太陽光発電などの平均のキロワット)当たり 1.30ユーロなのに対し、17ユーロもかかる。
しかし、Colasでは2020年までに競争力あるものになるとしている。

寿命(20年)以内に投資を回収できるとみており、現在は投資回収期間を15年以内に短縮することを目指している。

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