LG Chemは1月31日、約250億ウォン(約24億円)を投資して麗水工場に年産400トン規模の カーボンナノチューブ (CNT) 専用工場を構築して製品量産に入ったと明らかにした。
世界では中国のShenzhen SUSNの600トン、 中国系の米国企業 CNano Technologyの500トン、日本の昭和電工の500トンに次いで4位の生産能力 となる。
本年から電池用CNTの供給を始め、販売を徐々に増やし 、2018年末には工場を完全稼動させる。本年の生産量は100トンを計画している。
同社は2011年にCNTの技術開発に着手、2013年から20トン規模で試作を始めた。用途も含め250のパテントを取っているという。
今後、各種 IT 製品と電気自動車のリチウムイオンバッテリーの正極導電材での需要が増えるとみており、2019年の増設も検討している。
LG Chemでは2016年の世界の需要を824トンとみており、今後年率10%で伸び、2020年に1,335トンになるとみている。
北米、欧州、中国市場への進出を考えている。
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競合他社の状況は下記の通り。
1)Shenzhen SUSN Sinotech New Materials(深圳市三顺中科新材料)
Shenzhen SUSN Fine Chemicals(深圳市三顺精细化工、3-エトキシプロピオン酸エチルのメーカー)の子会社で、2011年3月に設立された。中国科学院の技術サポートを受けている。
現在の能力は年産600トンとされる。
2) Cnano Technology(天奈公司 )
2007年にサンフランシスコ市に設立された。
経営者には中国系が多く、現在の社長・CEOはDr.Tao Zheng。
工場は中国にある。
北京のCnano Technology (Beijing) Limited は2007年創業で、2009年にCNTの生産を開始した。当初の能力は年産200トンであったが、その後増設し、現在は年産500トン。鎮江市のCnano (Zhenjiang) Technology Limited では導電性ペーストを生産している。年産能力は2,000トン。
3) 昭和電工
CNT 発見者の信州大学 遠藤守信教授の指導により1982年に開発を開始し、1996年には世界初となるカーボンナノチューブ量産設備を川崎事業所内に設置した。2007年には年産100トンに増強した。
その後、大分に工場を建設、2010年3月に年産400トンプラントを稼働させた。
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