オリックス、米地熱発電大手に出資 

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オリックスは5月4日、米国の地熱発電大手のOrmat Technologies, Inc. に出資することを決めた。第3四半期に発行済み株式の22.1%を627百万ドルで取得する。

両社が締結したCommercial Cooperation Agreement では、Ormat はオリックスの日本以外の全世界の地熱発電プロジェクトで開発・所有・操業・機器供給の独占権を持つ。また、オリックスの日本の地熱発電プロジェクトで技術パートナーや共同投資者となる権利を持つ。

またオリックスはアジアおよび全世界で関係を持つ再生可能エネルギーのファイナンス業者を通じ、Ormatが資金を取得するのを支援する。

Ormatは1965年創業で、地熱発電設備の設計・製造から販売・施工まで一貫して手がける唯一の企業。

同社の ORMAT® ENERGY CONVERTER は、Organic Rankine Cycle 技術を使用する。沸点が水よりも低い有機液体を利用、一定の圧力で地熱を液体に移し、これが沸騰してタービンを回すバイナリー方式である。(高温の地熱をそのまま使用するのがフラッシュ方式)

これまで世界中で合計2,200MWを供給した。
米国や中米、アフリカでは地熱発電事業も展開する。現在、713MWの地熱発電を所有・運営している。(米 515MW、カリブのGuadeloupe 15MW、Kenya 139MW)

オリックスはOrmatが持つ技術を活用し、アジアでの地熱発電事業への参入を目指す。

オリックスは、太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーを活用した発電事業を積極的に推進している。

地熱発電については、再生事業としてグループで運営している温泉旅館「杉乃井ホテル」(別府市)において自家用では国内最大規模となる最大出力1.9MWの地熱発電所を保有・運営している。

同社は2013年11月に、東芝が55%、オリックスが45%出資で岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区において地熱発電事業を行うJVを設立した。

2014年に、今後5年間で地熱発電所を最大15か所建設する計画を決めた。北海道、東北、九州を中心に全国から候補地を探す。発電能力は計3万キロワット、総投資額250億円程度を見込む。

第一弾として、2014年7月に函館市と青森・風間浦村で地熱発電の事業化に向けた調査を開始した。両地域では、出力2MW程度の小規模地熱発電所の建設を検討している。

2017年3月に、東京都八丈町と、八丈町内における地熱発電利用事業に関する協定を締結した。

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2017年3月18日、世界最大規模のインドネシア・Sarulla 地熱IPPプロジェクトの第1号機が商業運転を開始した。

本事業は北スマトラのSarulla鉱区で世界最大規模の地熱発電所の開発を行うもので、PT Pertamina Geothermal Energyが保有する地熱鉱区を合弁会社のSarulla Operations を通じて開発し、出力330MW(3系列合計)の地熱発電所を建設後、発電する電力をインドネシア国営電力公社PLNに30年間にわたって売電する。

効率を高めるため、地熱を利用するフラッシュ発電と、バイナリー発電を組み合わせている。
1号機の出力は約105.9MWで、引き続き、2017年に第2号機、2018年に第3号機の商業運転開始に向けて建設工事を行う。

出資者は次の通りで、2015年に国際石油開発帝石がMedco子会社に出資する形で参加した。

2015/6/13 国際石油帝石、インドネシアのサルーラ地熱IPP事業に参画


Ormatはこれに12.75%出資するとともに、Geothermal Combined Cycle Unit の基礎設計、Ormat Energy Converterの供給を行っている。
フラッシュ発電のための発電機、タービンは東芝が供給している。




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