日本政府、中国原産の輸入ポリエチレンテレフタレートでダンピングの仮決定

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経済産業省及び財務省は、2016年9月30日以降、中国原産の輸入高重合度ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するダンピング調査を行ってきたが、ダンピングの事実及び日本産業に与える実質的な損害等の事実を推定するに至ったとして、8月4日付でダンピングの仮決定を行った。

ダンピング課税の発動要件は以下の通り。
  1) ダンピング輸入の事実
  2) 国内産業の損害の事実
  3) 両者の因果関係
  4) 国内産業を保護するために必要であること

2016年9月6日に三井化学、三菱化学、日本ユニペット及び越前ポリマーからの申請を受け、両省合同の調査を実施した。

今後、引き続き調査を行い、ダンピング関税の課税の可否を政府として判断することとなる。

現在の関税率はゼロで、ダンピングが確定した場合、WTOのルールで最大54%までとすることができる。

PETの状況は次の通り。

2013年度 2014年度 2015年度 2013/2015
総輸入量 577,182 625,364 660,430 +114%
うち 中国 254,034 299,577 364,258 +143%
中国の比率 44.0% 47.9% 55.2%

付記

8月29日、暫定的な不当廉売関税を賦課する政令が閣議決定された。9月2日から2018年1月1日までの間、暫定的な不当廉売関税が課税される。

ーーー

これまでの調査対象とその状況は下記の通りで、現時点で、電解二酸化マンガン、TDI、水酸化カリウムが課税中で、炭素鋼製突合せ溶接式継手が調査中である。

日本政府は2016年に関税定率法の政令改正を決めた。反ダンピング課税の申請が出来るのは、一定条件を満たす生産者とその団体であるが、団体についての要件を変更する。

この改正により、団体による申請がし易くなる。

2016/4/8 日本政府、反ダンピング課税申請要件を緩和 



品名 調査開始 相手 決定 課税率 課税期間 現状
(アンチダンピング)
ポリエステル短繊維 2001/4/23 韓国 2002/7/26 クロ確定 1社6%、4社0%、他 13.5%

2002/7/26/~2012/6/28

課税終了
台湾 10.3%
カットシート紙 2012/6/29 インドネシア 2013/6/26 課税なし  -
電解二酸化マンガン 2007/4/27 スペイン 2008/9/1 クロ確定


2014/2/21 延長確定
(除 豪州)

14.0% 2008/9/1~2019/3/4 課税中
中国 1社 34.3%、他 46.5%
南アフリカ 14.5%
豪州

29.3%

2008/9/1~2013/8/31 課税終了
TDI 2014/2/14 中国 2015/4/14 クロ確定

69.4%

2015/4/25/~2020/4/24

課税中
 2014/12/9 日本、中国原産の輸入TDI にダンピングの仮決定
水酸化カリウム 2015/5/26 韓国 2016/8/2 クロ確定 49.5%

2016/8/9/~2021/8/8

課税中
中国 73.7%
ポリエチレンテレフタレート 2016/ 9/30 中国 2017/8/4 クロ仮決定 仮決定
炭素鋼製突合せ溶接式継手 2017/3/31 韓国 調査中
中国
・・
(相殺関税)
ハイニックス社製DRAM 2004/8/4 韓国 2006/1/27 クロ確定 ~2008/8/31 27.2%

2006/1/27/~2009/4/22

課税終了
~2009/4/22  9.1%

 

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