中国、北朝鮮の石炭や鉄などを全面禁輸

| コメント(0)

中国の商務部と税関総署は8月14日、北朝鮮からの石炭、鉄、鉄鉱石、鉛、鉛鉱石、海産物などの輸入を15日から全面的に禁止すると発表した。

国連安全保障理事会が8月5日に採択した北朝鮮に対する新たな制裁決議 (2371) に基づく措置。

国連の安全保障理事会は、北朝鮮がICBMだとする発射実験を2回行ったことをめぐり、北朝鮮の主な収入源になっている石炭などの輸出を一切禁止するとする制裁決議を中国、ロシアを含む全会一致で採択した。

安保理制裁に基づく禁輸が加盟国によって着実に実行されれば、北朝鮮の年間輸出収入の約3分の1にあたる10億ドルが削減できる見込み。

商務部公告40号によると、詳細は次の通り。

8月15日以降、下記の対象品目の輸入は全面的に禁止する。
これ以前に入港したものについても、9月5日以降は申請を受け付けたものについても輸入手続きを中止する。

例外として、北朝鮮の羅津港からの石炭で、輸出国が信頼できる情報によって北朝鮮産以外のものと証明するものの再輸出品は除く。(但し、輸出国は国連が設置する委員会に通知する必要がある。) ロシア品を想定している。

禁止対象製品は次の通り。

製品 詳細 関税番号
石炭 石炭 2701
亜炭 2702
鉄鉱石 2601-111、112、119、120、200
7201-10001、10009、20000、50001、50009
鉛、鉛鉱 鉛鉱 2607
鉛製品 第78章全て
海産品 魚類 第3章全て
エキス及びジュース 1603
調整・保存処理した魚、イクラ 1604
同上甲殻類 1605

付記

商務部は2017/8/25の公告47号で、国連安全保障理事会が8月5日に採択した北朝鮮に対する新たな制裁決議 (2371) の第12条に基づき、北朝鮮の団体・個人が中国でJVを設立すること、既存JVの増資を行うことを禁止した。


ーーー


国連安全保障理事会は2016年11月30日、北朝鮮による核実験等に関する決議第2321号を全会一致で採択した。

中国商務部は2016年12月23日の公告81号で、国連決議2321に基づき、次の措置を取ると明らかにした。

1) 北朝鮮からの石炭の輸入の制限

2017年1月1日以降、毎年、各国全体の北朝鮮からの輸入を4億ドル、または750万トンのいずれか少ない方に制限する。

2) 北朝鮮からの銅、ニッケル、銀、亜鉛の輸入禁止

3) 北朝鮮からの彫刻像の輸入禁止

4) 北朝鮮へのヘリコプター、船舶の輸出禁止

石炭については、実際に北朝鮮から輸入しているのは中国のみとされる。

中国商務省は2017年2月18日、公告12号で、国連決議2321に基づき、北朝鮮からの石炭輸入を2月19日から12月31日まで全面的に停止すると発表した。

中国の1月の北朝鮮からの石炭輸入額は1億2194万ドル、輸入量は145万トンで、1月末時点では上限まで相当な余裕があることが判明している。

2017/2/28 中国、北朝鮮からの石炭輸入を全面停止


石炭は2月19日から禁輸したものの、今年上半期の中朝貿易の輸出入の総額は、昨年の同じ時期と比べて10.5%増えていた。


コメントする

月別 アーカイブ