住友化学、新タイプの屋外用蚊よけ製品発売へ

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住友化学は10月27日、子会社の 住化エンバイロメンタルサイエンスと共同開発した「STRONTEC®屋外用蚊よけ」が防除用医薬部外品として承認されたと発表した。2018年3月に発売する。

住友化学が開発した高い揮散性を有するピレスロイド系化合物メトフルトリンを有効成分とする薬液を超音波振動で微細な霧にして30秒に1回、噴霧する 。

電池式で携帯可能(横 112mm、高さ 105mm) で、交換式の薬液ボトルは 1本で約30時間使用できる。

また、約40㎡(半径約 3.6m)の範囲で効果を発揮することから、キャンプ場やオープンテラス、ガーデニング、スポーツ観戦、野外コンサート、花火大会などのアウトドアシーンで活躍する。

超音波噴霧技術とは、電圧をかけることで伸縮するピエゾ素子を応用した噴霧技術で、ピエゾ素子の伸縮エネルギーを液体に伝えることで液体を微粒子化し、噴霧する。

ピエゾ素子(圧電素子)は、小型・省電力でありながら、電圧をかけると振動するという特徴のため、携帯電話のスピーカー、インクジェットプリンターの吐出機構、超音波モーターなどに利用されてきた。 (ピエゾはギリシャ語の piezein:押すに由来している。)

圧電効果は、水晶や特定の種類のセラミックなどに圧力を加えることで生じるひずみに応じて、電圧が発生する現象で、1880年にピエール・キュリーと兄のジャック・キュリーが発見した。
圧電効果を利用して電気を取り出したり、逆に電圧をかけることで振動を取り出す電子部品が「圧電素子」である。

圧電素子の基本的な構造は、圧電材料を電極で挟むだけの単純なもの。
     http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/200803u/


住友化学では、この特徴に着目して超音波噴霧という技術に応用し、ピエゾ素子の振動エネルギーを液体に伝えることで微粒子化し、省電力ながら、虫よけ剤の有効成分を効率的・安定的に噴霧・拡散できる技術を確立した。

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