世界農薬大手企業5社、2040年までのマラリア撲滅に向けて共同声明を発表

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世界農薬大手の住友化学、三井化学、BASF、Bayer、Syngenta の5社は4月18日、ロンドンで開催された英国連邦首脳会議でのMalaria Summit London 2018 において、2040年までにマラリアを撲滅するため、革新的な製品の研究、開発、供給を支援する共同声明を発表した。

Agriculture Industry unites to deliver a pipeline of innovative vector control tools to help eradicate malaria by 2040


5社はこれまで、蚊帳や室内スプレー剤などの革新的なマラリア媒介害虫防除策の開発を主導しており、2000年以降、マラリア罹患抑止に成功したケースのうち、おおよそ5件に4件が、長期残効型防虫蚊帳や室内残効性スプレー剤によるものであったと考えられて おり、数百万人の命を救った。

5社は「ZERO by 40」のバナーのもと、Bill & Melinda Gates Foundation と 国際的なNPO法人のIVCC (the Innovative Vector Control Consortium)の支援を受け、2040年までにマラリア被害ゼロを目指し、5社が持つ知識や技術を用いて、効果的なソリューションを開発、供給する。

最近の各社の成功例として下記を挙げている。

Syngentaの新規室内残効性スプレー Actellic®300CS
住友化学の室内残効性スプレー剤 SumiShield® 50WG
Bayerの次世代室内残効性スプレー剤 Fludora® Fusion
BASFの殺虫剤chlorfenapyrを使用した蚊帳 Interceptor® G2
三井化学のユニークな殺虫剤

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Gates FoundationはこのMalaria Summit London 2018で、マラリア撲滅のため、2023年までに10億ドルを投資すると発表した。
更に、英国政府がAIDS、結核、マラリアと戦う Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaに1億英ポンドを寄付するとしたメイ首相の発表に合わせ、追加で 5千万英ポンドを約束した。

Gates Foundation はまた、農薬会社5社のZERO by 40のマラリア撲滅活動を支援すると述べた。

Gates Foundation はGlobal Fundに16億ドルを出しており、またマラリア対策の寄付としてこれまで約20億ドルを出している。
最近では、フィラデルフィアのWistar Institute に、マラリア用の合成DNAベースのワクチン製造のため140万ドルを出している。


参考 マラリア関連記事

2014/12/20 WHOの"World Malaria Report 2014"
2015/8/22 「世界モスキート・デー」 


2013/6/8 住友化学のOlyset Net
2017/7/29 本の紹介 「日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る 」 
2017/8/7 住友化学の長期残効型の蚊発生源処理樹脂製剤、WHOの推薦を取得


2017/7/18 BASF、マラリア対策の長期残効型防虫処理蚊帳を開発 Interceptor® G2

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