中国、人民元中間値設定で反循環的要因を再導入

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中国人民銀行(中央銀行)は8月24日遅く、銀行各行が人民元の中心レート設定において「反循環的」要因を再導入したことと明らかにした。

2017年5月末に変動の抑制、高値誘導のために導入したが、元急落や資金流出への懸念が薄らぎ、2018年1月初めに廃止していた。

しかし、6月頃から急落、最近では2017年1月の最安値に近づいている。

米国の中国からの輸入品への制裁関税に対応するため、中国政府が元安を支持してるのではとの推測も行われていた。

人民元の対ドルでの下落は、8月22~23日に米国で開いた米中の貿易問題を巡る事務レベル協議でも議題の1つになっていた。

米中の貿易摩擦に早期終結の兆しが見られない中、人民銀行が通貨を支える行動に出たことを示唆している。

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中国人民銀行(中央銀行)は2017年5月26日、人民元の対米ドル取引の基準値の決定に新たな手法を導入すると発表した。

新たに反循環的要因(counter-cyclical factor:中国語で「逆周期因子」)を勘案する。counter-cyclical factorとは変動抑制を意味し、前日の相場が大きく変動した場合でも、基準値の変動を緩やかに抑える仕組みとされる。

  「逆周期因子」:

前日の相場変動のうち、どれだけが実需による値動きかを算出する。実需に拠らない変動は除外する。

実需による値動きに「マイナス3分の2」をかけたものが激変緩和要素となる。

従来は実需の値動きをほぼそのまま反映させていたが、今後は実需の値動きの1/3だけを反映させる。

架空の例で、基準値6.70元/$に対し、実績が6.60元と、0.10元の元安となったとする。
従来なら、6.60元近くに設定していたが、今後は差の1/3だけを反映させ、6.733元とする。

2017/6/5   中国、人民元の中心レート設定方法を変更

2017/6/26  新しい人民元基準値の設定方法

中国人民銀行は2018年に入り、2017年から実施してきた人民元の高値誘導を緩和したことがわかった。元取引の基準となるレート「基準値」の算出法を修正し、元安に振れるのを抑制する特殊な操作を停止する。基準値の算出を事実上、以前の方法に戻す。
好調な輸出を背景に元急落や資金流出への懸念が薄らぎ、管理色が強いとの批判があった措置を見直した。

最近の急激な元安に対応し、再度、このシステムを復活させる。

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