米韓FTA改正案に署名

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トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領は9月24日夕、ニューヨーク市内で会談し米韓自由貿易協定(FTA)改正案に署名した。

改正FTAは両国の国内手続きを経て年明けにも発効する見込み。トランプ大統領は署名式で「新協定は貿易赤字を削減し、米国産品の輸出を大幅に拡大する」と強調し、「米国と韓国が貿易のための友好協力関係の例を示した」と語った。

鉄鋼への追加関税を回避するため、韓国が大幅に譲歩したもの。

トランプ大統領にとっては、追加関税の脅しで貿易協定を改正する最初の成功例であり、次いでメキシコとの間で自動車の追加関税の脅しでNAFTA協定の改正に成功している。
但し、NAFTAのもう一方の相手のカナダとの交渉は難航している。

2018/9/3 米国とカナダのNAFTA再交渉、再協議へ 後半部分にメキシコとの交渉内容

EUとの間では、関税引き下げに向け交渉することで合意した直ちにExecutive Working Group を設置する。加えて、短期的な対策を検討する。

この間は、どちらかが交渉を取り止めない限り、この合意の精神に反する行動を行わないこととした。

2018/7/27 米国とEU、関税撤廃交渉へ

日本は、EUのやり方を真似た。

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韓国と米国との自由貿易協定(FTA)が2012年3月15日に発効した。最初の交渉妥結から5年かかった。

工業製品などの9割弱について両国で関税が即時撤廃され、5年以内に工業製品などの約95%で関税が撤廃される。

2012/3/15 韓米FTA発効 

対韓貿易赤字に不満を持つトランプ米大統領は 2017年6月30日の米韓首脳会談で米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉に言及した。
米通商代表部(USTR)は7月12日、FTAの改定交渉を韓国政府に正式に要求した。

協定では、米韓のいずれかが特別共同委員会は招集を要求した場合、相手国は原則的に30日以内に応じなければならないこととなっている。

2017/7/20 米国、韓国とのFTAの再交渉を要求 

米韓政府は8月22日、FTAを見直すかを議論する特別合同委員会をソウルで開いた。

米側は米韓FTAで貿易赤字が拡大しているとして改定を要求。一方、韓国は米国の対韓貿易赤字とFTAは無関係とし、改定には応じないと反論した。

2017/8/25 韓国、米国のFTA 即時改定要求に応じず

トランプ米大統領は2018年3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明した。

鉄鋼には25%、アルミには10%の追加関税をかけると述べた。

2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

トランプ大統領は3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名した。 

それぞれ25%、10%の関税を課す。
15日後に発効する。
全ての国に適用するが、カナダとメキシコは当面猶予する。

今回の命令は、いくつかの国を除外するようになっており、国ごとに税率を変えたり、適切と思う国をリストに加えたり、リストから除外する権限を大統領に与えていると述べた。

2018/3/9 トランプ大統領、鉄鋼・アルミの輸入制限発動を命令

両国は3月25日、米韓FTAの改正・延長交渉で合意した。交渉に参加した韓国の金鉉宗通商交渉本部長は、「韓米FTAと貿易拡大法第232条の鉄鋼製品の関税賦課について原則的に合意・妥結した」と明らかにした。

鉄鋼に関しては25%の追加関税を免除する代わりに、韓国は米国向け輸出数量を減らす。(2015~2017年平均輸出量383万トンの70%を限度)

FTAの改正点は次の通り。

農産物市場関連の追加開放はない。

米国製自動車部品の使用義務など原産国関連の米国側の要求は反映されない。

一方、米自動車を輸入する際に適用してきた非関税障壁の自動車安全・環境基準のハードルを下げる
韓国の安全基準を満たさなくても、米基準を満たす車両の韓国輸入台数の拡大などを受け入れた模様。
(現在、米国車は年間2万5000台まで米国基準にだけ合わせれば韓国で販売できるが、これを5万台に引き上げる。

米国に輸出する韓国製ピックアップトラックに対する関税撤廃日程を2041年まで遅らせる。
(現行FTAでは、米国はピックアップトラックの25%の関税を来年から段階的に引き下げ、2021年までに完全撤廃となっている。)

両国が競争的な通貨切り下げを禁じる「為替条項」の導入でも合意した。
為替条項は(1)競争的な通貨切り下げを禁じる(2)金融政策の透明性と説明責任を約束するといった内容。
「付帯協定」との位置づけのため強制力は持たない。

米国への輸出拡大を狙った韓国の通貨安誘導を防ぐためで、米国が同条項を結ぶのは初めて。

2018/3/26 韓米FTA改正交渉妥結、鉄鋼の追加関税免除 

なお、上記の為替条項については、米国は「 (FTA交渉のなかで)FTAの条項とは別に、韓国と合意している」と説明するが、韓国側は「FTAとは別の事案」としている。

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