エタン/エチレン分離の新法開発

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中国山西省太原市の太原理工大学の研究者等(アメリカ国立標準技術研究所所属の中国人を含む)は、エタンから簡単にエチレンを分離する方法を開発した。

10月26日に"Science"で発表した。

    http://science.sciencemag.org/content/362/6413/443



今回発見された新しいタイプの微孔性の金属有機構造体(MOF)、iron(III) peroxide 2,5-dioxido-1,4-benzenedicarboxylate は、ポリマーグレードのエチレンの製造において並外れた分離特性を示す。

MOFなどの微孔性材料を用いたガス分離プロセスが、従来のエタン/エチレン分離法に代わるものとして有望なことは知られていたが、こうした物質の多くはエチレンを優先的に吸着するので、エチレンを追加のプロセスでさらにMOFから分離しなければならない。

しかも、ポリマーグレードの純度(99.95%以上)を実現するには、何度も分離を繰り返す必要があるため、全体的な効率や費用対効果が低い。

研究者は、エタンのようなアルカンを優先的に結合させる天然の金属酵素から発想を得て、エチレンよりもエタンの結合を著しく優先させるMOFの作成に成功した。

さらに、この物質は周囲条件においてたった一度の分離で、ポリマーグレードのエチレン(純度99.99%)を生成する能力があることを発見した。

用化には更なる研究が必要としている。

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