英下院、首相のBrexit 交渉方針を否決

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英議会は2月14日、メイ首相が先にまとめたEU離脱協定案の修正を求める政府方針に賛同するか採決を行い、反対多数で否決した。

提出された交渉方針には、1月29日に下院で可決された修正案を支持すると記載されている。

国境問題で譲歩を引き出すためEUと協議を継続するとしているほか、1月29日の下院では、「合意なき離脱の拒絶」という修正案も可決されていた。


このため、与党・保守党の離脱推進派議員が構成する「欧州調査グループ」は、決議案に賛成すれば「合意なし離脱」の可能性を排除することになるため、自分たちはまとまって棄権すると表明していた。

結果は次の通りで、賛成 258、反対 303で否決された。集計では賛成は259名となるが、なぜか、下院事務局は258名としている。

与党保守党からの 68名もの棄権が決定的となった。

議員 議長他 議決権 賛成 反対 棄権
保守党 318 2 316 243 5 68
民主統一党 10   10 10 0
労働党 256 2 254 4 244 6
スコットランド国民党 35   35 35 0
自由民主党 11   11 11 0
独立党 8   8 2 3 3
シン・フェイン党 7   7 7
プライド・カムリ 4   4 4 0
緑の党 1   1 1 0
合計 650 4 646

258
303 85

この決議に法的拘束力はなく、首相官邸はEUとの交渉はこれまで通り継続する方針を示した。報道官は、協定案修正を目指すことが依然として議会の望みだと首相は信じているとし、「政府は3月29日の離脱に向けてEU側との取り組みを続ける」と述べた。

議決に先駆けて首相官邸は、首相の交渉方針に議会の後押しが得られなければ、アイルランドと北アイルランドの間で厳格な国境審査を回避するための「バックストップ」について、EUに修正を求めていくのが難しくなると警告していたが、今回の否決はメイ首相の交渉力を弱めることになる。

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