米国の下院選挙でいまだに1議席が未確定

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2018年中間選挙(11月6日投票)で下院の1議席(North Carolina 州 第9選挙区)が未確定となっている。

共和党 民主党 民主系
無所属
未確定 合計
上院 53 45 2 100
下院 199 235 1 435

2018/11/12 米中間選挙の結果と当面の問題 

2019年1月3日に新メンバーでの下院がスタートしたが、この選挙区だけは議員を出せないでいる。


投票結果は次の通りで、共和党候補が僅差で勝利した。

Mark Harris (共和党) 139,246  905
Dan McCreay (民主党) 138,341
Jeff Scott 5,130
Total 282,717

しかし、共和党候補者の側に不正投票があることが明らかになり、調査が始まった。

次の点が報道されている。

  • 第9選挙区のうちの2つの地区で異常に多くの不在者投票の要求があった。多くが実際には投票がなかった。
  • 選挙民の数人が宣誓書で、身元不明の女性が自宅を訪問し、不在者投票表を回収したと述べた。代わりに出しておくからと言って回収した。不在者投票表はサインも封もしていない。
  • 来訪した女性が Lisa Britt であったとする選挙民がいる。彼女は共和党候補の選挙事務所で不在者投票を担当する Leslie McCrae Dowless Jr. の養女である。
  • Britt ともう一人の Dowlessの親戚 Jessica Dowless は選挙期間中に事務所でDowless のために働いたと述べている。
  • 彼らに不在者投票表を渡した選挙民は実際に投票していない。

しかし、次の点は不明である。

  • 投票がなかった不在者投票分が実際にどう処理されたのか?
  • Harris候補の陣営が Dowlessの行動を知っていたのか?
  • 異常な活動は2地区だけなのか、他の地区でも疑いがあるのか?

Leslie McCrae Dowless Jr.は不正はしていないと述べているが、選挙管理委員会の調査員とは話をしていない。


共和党のMark Harris候補は12月28日、選挙結果を認めるよう緊急要請書を提出したが、North Carolina 州の選挙管理委員会は、その直後、9区の結果を決めることなしに解散した。
12月1日付でHarris側に資料提出命令を出したが、ごく一部しか提出しなかった。何度も提出すると言いながら、提出しなかったとしている。

選挙管理委員会は裁判所により解散を命じられた。背景は次の通り。

2016年12月の知事選挙で民主党のRoy Cooperが勝利した。

共和党が多数のNorth Carolina州議会は直後に、100年以上前から州憲法に基づき知事が選挙管理委員会の委員を選定することになっていたのを、 州法の改正により、議会が選定することに変更した。
現在の選挙管理委員は議会が選定したものである。

Cooper知事はこれを州憲法違反として争ってきた。

2018年10月に3人の裁判官のパネルは知事の主張を認め、現在の選挙管理委員会の構成は違憲であるとしたが、今回の選挙の不正調査が終わるまでは存続を認めた。

しかし、選挙管理委員会が年末に至るも結論を出せなかったため、裁判所は12月28日付で解散を命じた。

2018年10月の違憲判決で、議会は12月に、選挙管理委員会の委員指名は再び知事が行うよう法改正を行ったが、改正法は翌 1月31日に発効する。

共和党のMark Harris候補は自らの勝利を認めるよう、州最高裁に訴えた。ヒアリングは1月22日に行われ、判事は双方から意見を聞いた。その結果、判事はHarris候補の訴えを拒否した。

「非常に異常な事態だ。選挙管理委員会が存在せず、裁判所に選挙の勝利者を決めろとしている。これは州政府の他の部門の権限範囲のものだ」と述べた。

Cooper知事は1月31日、新しい選挙管理委員5名を指名した。慣例により、知事が民主党のため、民主党から3名、共和党から2名を選んだ。

選挙管理委員会は2月18日からヒアリングを行い、早急に選挙の結果について判断する。

州の規則では、Harris候補を勝利者とみなすには3人の賛成を要する。共和党委員は2名のため、これはない。
但し、選挙のやり直しには4人の賛成が必要となっており、共和党委員の1名が賛成する必要がある。

仮にHarris候補が勝利者とされた場合でも、民主党が多数を占める連邦下院は州の選挙管理委員会の結論に係らず選挙についてチェックするとしており、簡単には終わらない。



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