Trump大統領は5月5日、中国の知的財産権侵害などを理由に2000億ドル分の同国製品に課す関税を、5月10日から現在の10%から25%に引き上げると表明した。
米中は2018年12月から貿易協議を開いて打開策を探ってきたが「交渉が遅すぎる」として制裁強化に転じる。最終協議を前にした威嚇との見方もある。
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米通商代表部(USTR)は5月8日、2千億ドル分の中国製品に対する制裁関税を5月10日午前0時1分に現在の10%から25%に引き上げると官報で正式に通知した。
中国商務部は5月8日夜に「もし米国が追加関税の措置を取るならば、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」との声明を発表した。
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トランプ米政権は5月10日午前0時1分、2千億ドル分の中国製品に課す制裁関税を現在の10%から25%に引き上げた。中国も報復措置を取るとの声明を出した。
追加関税は5月10日以降に米国向けに輸出され、通関した製品に順次かかるため、それまでに輸出された製品は同日以降に米国に到着しても10%のまま。
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6月15日からは輸出日に関係なく全面適用した。
大統領はツイッターで「2000億ドル分の製品は5月10日に10%から25%に上がる。追加の3250億ドル分の中国製品にも速やかに25%の関税を課す」と述べた。「中国との交渉は続いているが、遅すぎる」とした。輸入関税引き上げ分はほとんどを中国が負担するため、製品価格にはあまり影響ないとしている。(全くの誤認)
ーーーFor 10 months, China has been paying Tariffs to the USA of 25% on 50 Billion Dollars of High Tech, and 10% on 200 Billion Dollars of other goods.
These payments are partially responsible for our great economic results.The 10% will go up to 25% on Friday.
325 Billions Dollars of additional goods sent to us by China remain untaxed, but will be shortly, at a rate of 25%.
The Tariffs paid to the USA have had little impact on product cost, mostly borne by China. The Trade Deal with China continues, but too slowly, as they attempt to renegotiate. No!
米国は2018年7月6日から340億ドルの輸入品に25%、8月23日からは合計500億ドルの輸入品に25%の追加関税を課し、中国は対抗措置をとった。
2018年9月24日からは追加の2000億ドルの輸入品に10%の追加関税を課し、2019年1月1日からは25%に引き上げるとした。中国は600億ドルの米国からの輸入品に5%と10%の追加関税を課した。
大統領は中国からの残りの輸入品にも追加関税を課すると繰り返し言及した。
両国は直ちに、(1)米企業への技術移転の強要 (2)知的財産権の保護 (3)非関税障壁 (4)サイバー攻撃とサイバー犯罪(窃盗)(5)サービスと農業の市場開放 の5分野での構造変化の協議を開始し、90日以内に結論を得ることで合意した。この間に合意できない場合、追加関税は25%に引き上げるとなっていた。
2018/12/2 米、中国への追加関税を90日猶予
米政権は2019年2月28日、3月1日に交渉期限が迫っていた中国との通商協議を延長し、2日午前0時過ぎに発動予定だった対中制裁強化を見送ると正式発表した。別に発表があるまでは追加関税の税率を10%で維持する。
これを受け中国は、米国で生産された自動車と自動車部品に対して引き続き追加関税の賦課を一時停止することを決定した。この措置の終了時期については別途発表するとしている。
2019/2/28 米国、中国製品への関税引き上げを延期、首脳会談で最終決着へ
今回、2000億ドル分について、延期していた25%への引き上げを実行するというもので、残りの全輸入品への追加関税も示唆している。
(米国の貿易統計では2018年の中国からの輸入は5,395億ドルとなっており、2,500億ドルの残りは2,895億ドルである。)
米中は閣僚級協議を開いて関税引き下げなどの条件を交渉しており、5月8日から中国の劉鶴副首相がワシントン入りして再会談する予定になっている。
中国はLNGや穀物など米国製品の輸入拡大策を示し、外資の技術移転強要を禁じる「外商取引法」も成立させた。
但し、中国が合意に違反したと判断すれば制裁関税を再発動する「罰則条項」などで対立が残っているとされる。
今回の突然の引き上げ表明は、中国に一段の譲歩を求める「脅し」との見方もある。
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