米中、関税引き上げ合戦

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米国が
5月10日から中国製品への関税を引き上げたのを受け、中国は600億ドルの米国製品にかけている関税の引き上げを発表した。
これに対し米国は5月13日、第4弾の制裁関税を発表した。

これで米国の対中輸入、中国の対米輸入のほぼ全額に高額の追加関税がかけられる事態に進展した。

両国の経済に悪影響を与え、それが全世界の経済に波及することが懸念される。

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米政権は5月10日午前0時1分、2千億ドル分の中国製品に課す制裁関税を現在の10%から25%に引き上げた。

米国は制裁関税の第3弾として、2018年9月24日より2千億ドルの中国製品に10%の追加関税をかけた。これについては、2019年1月1日から10%から25%に引き上げるとしていた。

しかし、12月の首脳会談の結果、1月1日からの引き上げを延期し、両国で交渉を続けた。

2018/12/2 米、中国への追加関税を90日猶予

交渉はまとまるかと言われていたが、Trump大統領は突然、5月10日から25%に引き上げると発表した。

これを受け、中国国務院関税税則委員会は13日に公告を発表した。

米国側のこうした措置は中米経済貿易摩擦をエスカレートさせ、中米双方の交渉によって貿易の溝を解決するとの共通認識に背くものであり、双方の利益を損ない、国際社会の普遍的な期待に合致しない。

多国間貿易体制を守り抜き、中国自身の合法的権利を守り抜くため、中国は米国を原産地とする一部の輸入商品に対する調整を行い追加関税措置を執らざるを得ない。

中国共産党中央委員会と国務院の承認を経て、同委員会は、2019年6月1日午前0時より、すでに追加関税が実施されている600億ドル分相当のリストに掲載された米国製品の一部について、関税率を25%、20%、10%のいずれかに引き上げることを決定した。すでに5%の関税が上乗せされている品目については、引き続き5%を上乗せする。

中国が調整を行い追加関税措置を執るのは、米国の一国主義、保護貿易主義への対応だ。中国は、米国が二国間経済貿易交渉の正しい軌道に戻り、中国とともに努力し、中国と向き合って進み、相互尊重を基礎とした互恵ウィンウィンの合意への到達を目指すことを願う。

米国が2018年9月24日に2千億ドルの中国製品に10%の追加関税をかけたのに対応し、中国は同日、600億ドルの米国製品に5%か10%の追加関税をかけた。

Trump大統領が6月18日に新たに2千億ドル相当の輸入品に10%の追加関税を検討するよう米通商代表部(USTR)に指示したのに対応し、中国国務院は8月3日、第3 弾の関税上乗せ策を実施することを発表した。

2018/8/6 中国、対米報復関税を発表

その時点では、税率は25%、20%、10%、5%の4段階であったが、実施に際し、25%と20%の分を10%に、10%と5%の分を5%に引き下げた。
米国が2019年1月1日から25%に税率を引き上げた場合、中国も引き上げるものと思われた。

2018/9/20 米国、対中関税第3弾を9月24日発動 

今回、米国が10%から25%に引き上げるのを受け、当初の4段階の税率に引き上げる。

対象となるのは約5200品目で、関税率が10%になっている品目のうち、液化天然ガス(LNG)やはちみつ、工具、家具など約2500品目を25%に上げる。
肥料、歯磨き粉、紙類、発電機など約1100品目は20%に引き上げる。

関税引き上げによる中国企業への打撃を防ぐため、適用除外の申請も受け付ける。

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トランプ米政権は5月13日、中国への制裁関税の第4弾として、携帯電話など約3000億ドル分の中国製品に最大25%の関税を課す計画を正式表明した。

対象は約3800品目で、金額ベースでは Apple の「iPhone」など携帯電話(432億ドル)が最も多く、次にノートパソコン(375億ドル)などがある。衣類など消費財 も多い。
生活や産業への影響が大きい一部の医薬品やレアアースは除外する。
適用除外の対象には冷蔵庫に使用される部品やレストランで使用されるドリンクミキサー、自動車のカメラ部品なども含まれる。

6月下旬まで産業界の意見を聴取する予定で、発動は6月末以降になる。 意見聴取次第で、除外品目を増やしたり税率も25%から圧縮したりする可能性がある。

トランプ大統領は6月末の日本での20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、中国の習近平国家主席と会談する意向も表明した。

昨年12月のトップ会談で関税引き上げを中断したが、今回の会談で問題が解決にむかうことが期待される。
しかし、昨日のブログ記載の通り、問題が単なる貿易問題ではなく、今後の覇権を争うものであり、解決は難しいと思われる。

両国の関税合戦が激化すれば、世界景気への影響も避けられない。

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これまでの経緯は下図の通り。

米国側は4段階の引き上げで対象は合計5500億ドルとなり、現在の中国からの輸入品全体に追加関税をかけることとなる。

一方、中国は第3弾までで合計1100億ドルに過ぎない。

米国の対中輸入が5400億ドルあるのに対し、中国の対米輸入が1200億ドルしかないためである。

第3弾まででほぼ全輸入量が対象となり、米国の第4弾の制裁に対し、関税での報復は不可能である。

このため、他の方法で報復するとみられる。

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