大連市で石油精製・石油化学一体化設備が稼働開始 

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大手合繊メーカー・恒力集団(Hengli Group)の年産2000万トンの石油精製と エチレン年産150万トン等の石油化学の一体化(「煉化一体化」)設備が5月17日、遼寧省大連市長興島 (Changxing island)で稼働を始めた。

中国の一度で建設した煉化一体化設備としては過去最大規模で、石油化学産業構造のモデル転換と高度化を促進する役割のほか、地方経済の発展を牽引する役割を担うと期待されている。

中国は長期にわたって、エネルギー生産と消費の革命を一歩踏み込んで推進しており、関連の工業の分野への投資を継続して拡大して、エネルギー構造を、高効率、クリーン、低炭素の方向へ効果的に転換している。( 人民日報)

大連長興島臨港工業区は長興島、交流島など5つの島にまたがり、総面積350 km2である。2002年1月に遼寧省政府が省級経済開発区に認定した。


恒力集団(Hengli Group)は1994年設立で、PTAからポリエステル、ヤーンから繊維まで一貫して製造している。

PTAは子会社の恒力集団(Hengli Petrochemical)が担当する。

Invistaの技術を導入し、第一期は長興島で2012年に生産を開始した。現在、3期までで合計能力660万トンとなっている。

2018年5月にInvistaとの間で第4期分のライセンス契約を締結した。第4期の能力は250万トンで、完成すれば合計 710万トンとなる。

恒力集団(Hengli Group)は2015年12月に「煉化一体化」 計画を開始した。投資総額は740億元(約1兆2500億円)とされる。

「煉化一体化」 計画は次の6つに分かれる。


1) 石油精製

 精製能力は年産10百万トンが2基で合計20百万トン、日量40万バレルである。

サウジ中質原油と重質原油およびカタール原油を処理する。UOPとChevron Lummus Technologyが基本設計を担当した。


2) 芳香族炭化水素

3) Chemical

 プロパン脱水素等の設備で、PP 45万トンやMTBE 82万トンを生産する。

4) 石炭から水素、酢酸(35万トン)、メタノール(50万トン)を生産

5)エチレン

エチレン 150万トンで、エチレングリコール 90万トン x 2基、HDPE 40万トン、SM 72万トン、PP 20万トン x 2基などを生産する。

6) タンク、発電、排水処理、海水の淡水化、バース


恒力集団(Hengli Group)は、原油から繊維まで一貫して製造することとなった。


詳細は https://e2nergy.com/wp-content/uploads/2018/08/Hengli-Refinery-profile-English-Version-2018.04.18.pdf



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