ドイツ 社会民主党党首が辞任へ

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メルケル独首相の大連立政権を支える国政第2党、ドイツ社会民主党(SPD)のAndrea Nahles党首が6月2日、党首を辞任する考えを示した。

SPDは欧州議会選で歴史的な大敗を喫した。欧州議会選で過去最低の15.8%の得票にとどまり、緑の党に抜かれて第3党に転落していた。

ナーレス氏は同日朝「職務の執行に必要な支持がもはや得られない」との考えを示した。

大連立を維持する立場を保ってきた同氏の辞任はメルケル政権にとって打撃となる。

欧州議会選挙のドイツの結果

今回 前回
議席
増減
議席 得票率
キリスト教民主同盟 (CDU) CDU/CSU

下院
連立
与党

23 22.6 29 -6
キリスト教社会同盟 (CSU) 6 6.3 5 1
ドイツ社会民主党(SPD) 16 15.8 27 -11
緑の党 21 20.5 11 10
自由民主党(FDP) 5 5.4 3 2
ドイツのための選択肢(AID) 11 11.0 7 4
左派党 5 5.4 7 -2
その他 9 12.9 7 2
合計 96 100 96 0

ーーー

2017年9月24日の連邦議会(下院)選挙で、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は709議席のうち246議席しか確保できなかった。

自由民主党(FDP)や緑の党と進めていた連立協議が11月19日、決裂し、2018年3月になってようやく、第2党の社会民主党(SPD)と続けてきた大連立交渉がまとまり、メルケル氏はわずかの差で首相に選ばれた。

下院の勢力図は下記の通り。

キリスト教民主同盟 (CDU) キリスト教
民主・社会同盟
(CDU/CSU)
246 連立
与党
399

(首相選出投票)
賛成 364
(過半数 +9)
(与党全数 -35)

反対 315
棄権  9
欠席 21

キリスト教社会同盟 (CSU)
ドイツ社会民主党(SPD) 153
緑の党 67  

野党

 
310
自由民主党(FDP) 80
ドイツのための選択肢(AID) 92
左派党 69
無所属 2
合計 709   計 709
過半数は355

2018/3/17 メルケル首相 再選 


当時、社会民主党では1/3が連立に反対していた。今回、党首が変ると、連立から離脱する動きも出てくると思われ、
その場合はメルケル政権の崩壊や議会の解散・総選挙につながる可能性がある。



ドイツで2018年10月14日に実施された保守の牙城のバイエルン州(英語ではBavaria州)の議会選挙で、メルケル政権を支える保守与党、キリスト教社会同盟(CSU)が歴史的な大敗を喫した。

CSUの得票率は前回2013年の47.7%から37.7%に下がり、68年ぶりの低さとなった。連邦議会下院で連立を組むドイツ社会民主党も惨敗し、両党を合わせても過半数を下回る。

逆に緑の党と、極右政党ドイツのための選択肢(AfD)が大躍進した。

2018/10/17 独与党、バイエルン州で大敗 メルケル政権に打撃


今後、総選挙となった場合、
キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が政権を失う可能性もある。

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