EU トップ人事決定 

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欧州連合(EU)は6月30日から7月2日まで3日続いた臨時首脳会議で、トップ人事を決定した。

現在 任期 後任
国籍 現職
欧州委員長 Jean-Claude Juncker 2019/10/末 Ursula von der Leyen ドイツ ドイツ 国防相
ECB総裁 Mario Draghi Christine Lagarde フランス IMF専務理事
EU大統領 Donald Tusk 2019/11/末 Charles Michel ベルギー ベルギー首相
外交安全保障上級代表
(「EU外相」)
Federica Mogherini Josep Borrell スペイン スペイン外相

  青字は女性

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これまでは欧州委員長は欧州議会の第一会派が擁立する「筆頭候補」が選任されたが、今回は従来方法を見直し、筆頭候補が自動的に選ばれる方式を採らないことを確認した。 

今回の選挙では、親EUの二大会派が議席を減らす一方で、右勢力や「緑の党」が伸長し、多極化が進んだ。

EUの意思決定がより困難になることを懸念し、欧州委員長には、首脳らと欧州議会の双方から幅広い支持を得られる人選が必要との認識で一致した。

今回は特に、フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相が対抗している。

欧州委員長の候補には、下記の名が挙がっていた。

  出身 現職 会派   推薦
Manfred Weber ドイツ 欧州議員 欧州人民党
(中道右派)
組織トップの経験なし メルケル首相

Frans Timmermans

オランダ 欧州委
第一副委員長
欧州社会・進歩連盟
(中道左派)
ユンケル委員長右腕 マクロン大統領
Margrethe Vestager デンマーク  欧州委員
(競争政策) 
欧州自由民主同盟
(リベラル)
米のIT大手と対決
初の女性委員長狙う
Michel Barnie フランス Brexit
主席交渉官
欧州人民党
(中道右派)
 


メルケル首相は最大会派欧州人民党のWeber欧州議員を推すが、マクロン大統領は、「カリスマ性と経験ある人物がふさわしい」と主張、それを満たす候補として他の3人を挙げた。

 2019/6/4 欧州議会選挙の結果と新体制の選出

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仏独の妥協の結果、欧州委員長には中道左派グループが推すTimmermans 元オランダ外相を軸に検討したが、ハンガリーやポーランドと激しく対立してきた経緯があり、イタリアや東欧などの反対で立ち消えになった。

議論が行き詰まるなか、2人の女性トップという大胆な提案で事態を打開したのが、マクロン仏大統領だった。

欧州委員長には中道右派の有力女性政治家で、ポスト・メルケルにも名前が挙がったUrsula von der Leyen 独国防相を選んだ。

ECB総裁に指名されたChristine LagardeはIMF専務理事として欧州債務危機に対応し、債務危機をともに乗り越えたメルケル独首相との関係も良好とされる。


欧州議会の第2会派、中道左派グループは von der Leyen 氏の委員長起用に猛反発している。

これまでの、欧州委員長は欧州議会の第一会派が擁立する「筆頭候補」から起用するというルールを無視したことへの反発で、中道左派グループが反対すれば議会の過半数の確保は難しく、各国首脳が議会を説得する。(欧州委員長のみ、7月中旬の欧州議会で承認されることが必要)

付記

欧州議会は7月16日、Ursula von der Leyen 欧州委員長の承認をめぐる採決を実施し、過半数の賛成で承認した。
賛成は383票で、欠員を除いて承認に必要な総議席の過半数374票をぎりぎり上回った。

11月1日に就任する。

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