フランスのデジタル課税法案成立、米国は報復を示唆

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フランス上院は7月11日、Digital Services Tax法案を可決し、Macron 大統領は7月24日にこれに署名、これが法律となった。

内容は次の通り。

課税事業 (i) ユーザーが他のユーザーとコンタクトしたり、商品やサービスを購入するデジタルインターフェースの供与
(ii) フランスのユーザーに広告する業者にデジタルインターフェースでサービスを供与
課税対象企業 課税事業の全世界売上が750百万ユーロ以上で、
フランスのユーザーからのそれが25百万ユーロ以上
税率 対象売上高の3%
課税開始 2019/1/1に遡及

仏経財省によると、30社あまりが対象となる可能性があり、4億ユーロ程度の税収となる。

Trump大統領は7月26日、フランス議会が米テクノロジー大手各社へ課税するDigital Services Tax 法案を可決したことを受け、同国に対し「相当な」報復措置を取ると宣言した。

フランス産ワインに関税を課すことをほのめかしたほか、マクロン仏大統領の「愚行」を非難した。

ツイッターで、フランスの米企業に対するDigital Services Taxについて、米国の企業に課税するなら米国だとし、フランスワインを対象にする報復を示唆した。

France just put a digital tax on our great American technology companies. If anybody taxes them, it should be their home Country, the USA.
We will announce a substantial reciprocal action on Macron's foolishness shortly. I've always said American wine is better than French wine!

ホワイトハウスは同日、「デジタル課税を導入するフランスの決定にこれ以上なく失望した」との声明を出した。米通商代表部(USTR)は対仏制裁関税も視野に課税の不当性を調査しているが、声明では「そのほかすべての対抗策を検討している」とした。

米国は7月10日、フランスのデジタル課税によって米IT大手が打撃を受けるかどうか、通商法301条に基づいて調査すると発表している。
これに対しフランスは、デジタル課税が国際的なルールに準拠していると主張、これを阻止するために通商措置を用いることは容認できないと表明した。

ルメール仏経済・財務相は、「国家の決定は実行する」との声明を発表し、課税方針は変えない姿勢を示した。
「米企業を狙い撃ちにはしていない」と強調、国際的な導入に向け、8月下旬に自国で開催するG7首脳会議で合意を目指す考えを示した。

フランスは当初、EUで協調したデジタル課税に向けて合意しようとしたが、アイルランド、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの4カ国が反対した。
合意に時間がかかるとみて単独実施を決めた。

フランス政府は2018年12月、単独でデジタル課税を始めると発表、本年3月6日に法案を発表した。反政権デモ「黄色いベスト」沈静化のために打ち出した生活支援策で財政が悪化するため、追加の増税が必要になっていた背景もある。

フランス議会下院は4月8日、法案を修正なしで可決した。

上院は7月11日、これを可決した。Macron 大統領は7月24日にこれに署名した。


欧州では、英国も2020年4月から2%の課税を始める計画で、スペインも同様の方針を掲げている。

付記

フランスのマクロン大統領は8月26日、フランスの「デジタル課税」を巡り、米国と合意を得たことを明らかにした。

マクロン大統領は主要7カ国首脳会議(G7サミット)閉幕後、トランプ米大統領と共同会見し、「二国間の取り組みとして多くの作業を行い、両国の不和解消に向け合意を得た」と述べた。

フランスのデジタル課税と経済協力開発機構(OECD)がまとめている課税制度に基づく税収の差額を仏政府が企業に払い戻す方針で暫定合意に達した。

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