BASFによるSolvayのポリアミド事業買収、前進

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BASFは2017年9月、Solvayのポリアミド関連事業を買収することでSolvayと合意したと発表したが、欧州委員会は2018年6月27日、競争制限の恐れが強いとして本格調査を開始することを決定した。

欧州委員会の懸念を受け、BASFは2018年10月にSolvayの欧州のポリアミド事業のうちの一部を買収しない案を欧州委員会に提案した。Solvayはその部分を他社に売却する。

欧州委員会は1月18日、両社が提出した下記の条件を守ることを条件に、これを承認した。

  • Solvayの下記の設備を適切な1社に売却する。

Belle-Etoile and Valence (France)、Gorzow (Poland)、and Blanes (Spain)
これらは、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン、ナイロン66ベースポリマー、ナイロン66エンプラ、ナイロン6 3D プリンティングパウダーを生産する。

  • 上記の売却先との間でフランスのChalampéにアジピン酸生産のためのJVを設立
  • 売却先が必要とすればアジピン酸の長期供給契約を締結

2019/1/17 BASF、Solvayのポリアミド事業買収に注力

BASFとSolvayおよびドイツに本拠を置くエンジニアリングプラスチックのメーカーのDomo Chemicalsは8月14日、Domoが欧州委員会が売却を指定したSolvayのポリアミド事業を買収することで合意した。

Domoが買収するのは、SolvayのBelle-Etoile and Valence (France)、Gorzow (Poland)、及び Blanes (Spain) の工場で、これらは、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン、ナイロン66ベースポリマー、ナイロン66エンプラ、ナイロン6 3D プリンティングパウダーを生産する。

SolvayはInvistaとの50/50JVのButachimieで原料のアジピン酸を生産している。Butachimie のSolvay持分はBASFに移るが、BASFとDomoはアジピン酸の供給のためのJVを設立する。

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BASFはSolvayの欧州以外の全世界のポリアミド関連事業(アジピン酸生産のJV Butachimieの50%持分を含む)を買収する。2019年末までに買収を完了することを目指している。

買収する工場は、ドイツ、フランス、中国、インド、韓国、ブラジル、メキシコの8つで、他に、韓国、中国、ブラジルの研究開発センター、アジアと北米・南米の6カ所の技術サポートセンターが移管される。

BASFの現金、負債を除いたベースの購入価格は13億ユーロとなっている。BASFが買収するSolvayの事業の2018年の売上は約10億ユーロであった。

2017年9月の買収合意時の同じベースの価格は16億ユーロであった。Domoが買収する欧州分が控除された。

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DOMO Chemicals はドイツに本拠を置き、世界中にナイロン6原料、ナイロン6レジン、エンジニアリング樹脂、肥料、包装用フィルムを供給する。

同社は買収により事業を拡大してきた。

1938年にDr. Paul Schlack が最初にカプロラクタムからナイロン6を合成、1942年にドイツのLeunaにカプロラクタム工場を建設した。Domoは1994年にこのLeuna工場を買収し、スタートした。

2002年にエンプラ事業に参入、2004年にドイツのPremnitzのPA2000の工場を買収した。

2013年にはイタリア (Arco)、米国 (Cartersville)、中国 (Jiaxing) に工場を持つAquafil Engineering Plastics を買収し、グローバル企業となった。

2014年にナイロン6の包装用フィルムのメーカーのイタリアの CFP Flexible Packaging SpAを買収した。

今回、Solvayの欧州事業を買収し、さらに事業を拡大する。

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