欧州中銀、3年半ぶり利下げ、量的緩和再開

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欧州中央銀行(ECB)は9月12日の定例理事会で、利下げや量的緩和の再開を含む包括的な追加金融緩和策の導入を決めた。

ドラギ総裁は記者会見で、米中摩擦、英国のEU離脱に懸念を示し、「ユーロ圏経済の低迷はより長期化する恐れがある」と警戒感をあらわにした。 物価上昇率も目標の2%を大きく下回り、低インフレから抜け出せなくなるとの危機感が広がっている。

1) 「中銀預入金利」

政策金利のうち市中銀行から預け入れられた余剰資金に適用する「中銀預入金利」を現在のマイナス0.4%から過去最低のマイナス0.5%に引き下げる。
ECBは同金利に2014年6月からマイナス金利を導入しているが、さらにマイナス金利の幅を拡大させる。

利下げは2016年3月以来3年半ぶり。米中貿易摩擦の激化などを背景に世界的な景気減速懸念が強まる中、7月末に約10年半ぶりの利下げを実施した米連邦準備制度理事会(FRB)に追随する。

FRBは7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年2.25~2.50%から年2.00~2.25%に引き下げた。

2019/8/1 FRB、10年半ぶり利下げ、資産縮小も終了

2) 量的緩和

昨年末で終了していた量的緩和については、11月から月200億ユーロの資産購入規模で再開する。

欧州中央銀行(ECB)は2018年12月13日、量的緩和策を2018年12月末で終了することを決めた。ユーロ圏の景気が回復を続け、物価上昇も進んでいるためで、既に利上げ局面に入っている米国に続き金融政策の正常化へかじを切った。

量的緩和で購入した資産は計2兆6000億ユーロ。2019年から新規購入はやめるが、満期を迎える保有債券の償還金は再投資に振り向ける。再投資は「長期間続ける」としている。

2018/9/22 欧州中銀、債券買い入れを年末で終了

今回、資産購入を再開する。

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