東アフリカのLNG計画

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8月31日付の日本経済新聞によると、モザンビークでは2つのプロジェクトが建設中だが、来日したマレイアーネ経済・財務相は、計画中の3つ目のプロジェクトについて「2020年1~3月にも投資決定をする」と明言した。隣国タンザニアでも開発計画がある。

モザンビークで進む3つのプロジェクトがすべて完成すれば生産能力は年約3150万トンと、18年時点で世界3位の輸出国マレーシア(約2400万トン)を抜く。


モザンビークとタンザニアの国境を流れるRovuma川の河口と沖合に世界最大規模のガス田が発見され、開発が始まった。

モザンビークの海底ガス田の開発は6区に分けて行われている。

全体図

1) モザンビークLNG

三井物産は2008年2月、米国大手独立系石油・ガス開発会社 Anadarko Petroleumがモザンビークに保有する石油・天然ガス探鉱鉱区(Area 1)の権益の一部を取得することで同社と合意した。

  現在  
Anadarko (オペレーター) 26.5% ONGCに10% 譲渡
Mitsui E&P 20%  
モザンビーク国営石油会社
ENH Rovuma Área
15%  
ONGC Videsh
Oil and Natural Gas Corp (インド)
10% Anadarkoより
 (+6%) (Beas Rovuma)
Beas Rovuma Energy Mozambique
(ONGC and state-run Oil India )
10% Videocon より
(ONGC60%、Oil India 40%)
Oil India(インド) ↑  (4%) (Beas Rovuma)
BPRL Ventures Mozambique(インド)Bharat PetroResources Limited (BPRL) 10%  
PTTEP Mozambique Area 1
PTT Exploration & Production (タイ)
8.5%  

注)Occidental Petroleumは2019年8月8日、Anadarkoの買収が完了したと発表した。債務込みで550億ドルとなる。

2019/5/2 Occidental Petroleum、Chevronに対抗し、Anadarkoに再度の買収提案 付記

この鉱区の最大の権益を持ち、オペレーターを務めるAnadarko Petroleumは2012年12月、隣接するArea 4のオペレーターのEni との間で共同開発の覚書を締結したと発表した。両グループは天然ガスの開発は連系はしつつも個別に行なうが、LNG生産設備建設は共同で行うとした。

2013/1/10 モザンビークの天然ガス開発

当初、2018年にも生産を開始する予定であったLNGプラントはその後も着工されていなかった。

このたび、Anadarkoは着工を決定した。

千代田化工建設は2019年6月6日、イタリアSaipem S.p.A.及び 米国McDermott International Inc.と共同で、モザンビーク共和国におけるLNG計画(Anadarkoが主導するエリア1 の共同事業者が計画)EPC(設計・調達・建設工事) 業務を受注したと発表した。

三井物産も6月19日に最終投資決断を行ったと発表した。天然ガスの生産・液化からLNGの輸送までを行う上中流一体型事業で、LNG事業も上記の権益比率で行う。

2024年より年間1,200万トンのLNGを生産する。

2019/6/7 モザンビークLNG 計画スタート


2) Coral FLNG(アフリカ地域初の洋上LNGプラント建設プロジェクト)

日揮は2017年6月2日、Technip FMC、サムスン重工業と共同で、Coral FLNG SAがモザンビーク共和国において計画している洋上LNGプラント(FLNG)建設プロジェクトを受注 したと発表した。

Area 4 のCoral ガス田でLNGを生産する。

概要は次の通り。

 Coral FLNG SA 

ENI 50%
CNPC 20%
ENH FLNG 10%
GALP ENERGIA ROVUMA 10%
Korea Gas 10%

 設置場所 モザンビーク共和国沖コーラルガス田(タンザニア国境沿いの沖約50km 水深2,000m)

 FLNGプラント 年産約340万トン

 契約内容 設計、機材調達、建設工事、据付および試運転役務のランプサム契約
      サムスン重工業は、FLNG船体のEPCおよびトップサイドのファブリケーションを担当


3) Rovuma LNG

2018年7月にロブマLNGプロジェクトの第1期開発計画がモザンビーク政府に提出された。

本プロジェクトは、モザンビーク沖合のエリア4鉱区に位置するMambaガス井の天然ガスの生産・液化・販売を行うもので、年産760万トンの液化プラント2基(計 1520万トン)を生産する。

最終投資決定は2019年に行い、2024年の生産開始を予定するとしていたが、今回、経済・財務相は、投資決定は「出資企業間の調整が残っており、現実的にみて2020~21年になる。早くて20年1~3月だろう」としている。

Mozambique Rovuma Venture(ExxonMobil 40%, Eni 40%, CNPC 20%)が運営を行い、他のガス田権益者の3社が10%ずつ出資する。

エリア4鉱区にはCoralガス田とMambaガス田があるが、前者で洋上処理するのがCoral FLNGで、後者を陸上で液化するのが本件である。

当初の予定通り、モザンビークLNGと同じ場所で、今回は別々に事業を行う。

Area 4 の権益は次のようになる。

Area 4 ガス田 Coral FLNG Rovuma LNG
Eni Mozambique Rovuma Venture 70%→25% 50% 70%
ExxonMobil 0%→25%
CNPC 0%→20% 20%
ENH (Mozambican government) 10% 10% 10%
Galp (ポルトガル) 10% 10% 10%
Kogas (韓国) 10% 10% 10%
合計 100% 100% 100%

Mozambique Rovuma Ventureの出資比率は、ExxonMobil (40%), Eni (40%), and CNPC (20%)


4) タンザニアLNG

タンザニア政府は同国のLNG計画が2022年にも建設開始することを期待している。

ノルウェーのEquinor(旧称 Statoil )が中心で計画しているもので、Shell、ExxonMobil、Ophir Energy(ロンドンに本拠を置く石油およびガスの探査および生産会社)及びPavilion Energy(シンガポールのTemasekのLNG子会社)がTanzania Petroleum Development Corporationと組んで、Lindi地区にLNGプラントの建設を計画している。

LNG能力は年産1000万トン。

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