Brexit の状況(10/9)

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EUは週内にも英政府がEU離脱の条件を示した新提案を受け入れるかどうかを判断するが、EUの首脳らから慎重な反応が目立つ。

ドイツのメルケル首相は10月8日、英EUが合意できる公算は「圧倒的に小さい」と電話でジョンソン首相に伝えた。

北アイルランドの離脱後の処遇が問題で、北アイルランドがEUの「関税同盟」に残ることを求めたそれに対しジョンソン首相は反発し、「離脱を巡る合意は本質的に不可能だ」と伝えた。

英議会は、17~18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するよう首相に命じる通称「ベン法」を可決している が、首相は延期要請をしたくないとしており('I am literally not going to write that letter')、政府筋は、首相が延期要請を避けるため最高裁に訴える考えだと述べた。

野党は経済への影響が懸念される「合意なき離脱」を回避するために離脱延期法の期限を現行の19日より早める法案の提出を検討している。

ジョンソン英首相は10月8日夜、議会を13日まで休会した。再開後に施政方針を示すためとしており、施政方針を示すエリザベス女王の演説を14日に開く予定。首相が上記の法案提出を妨害したとの見方がある。

休会をめぐっては、9月に最高裁判所が違法と判断したばかりで、野党議員の批判を受けるのは必至。



付記

ジョンソン英首相は10月10日、アイルランドのバラッカー首相と会談した。

両首脳は会談後にツイッターで合同声明を発表し、「詳細にわたる建設的な話し合い」の中で合意への道筋につながる可能性を見いだしたと評価した。
「離脱合意を成立させることがあらゆる関係者の利益にかなうと引き続き確信している。合意への道筋が見込めるとの点で一致した」と述べた。

とりわけ国境をまたぐモノの検査方法やアイルランド島の地方自治体の発言権を確保する方法に議論が集中したという。

EUのミシェル・バルニエ首席交渉官と英国のバークレイEU離脱担当相が11日の朝に会談した。
バルニエ氏はこの会談後、法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があったと、EU 27カ国の代表に説明した。

加盟各国が承認すれば、合意案について詳細な交渉に入る。

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