東芝、血液1滴から13種類のがんを99%の精度で検出する技術を開発 

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東芝は11月25日、血液中のマイクロRNAを使った簡便で高精度ながん検出技術を開発したと発表した。

マイクロRNAは生体高分子であるリボ核酸(RNA)の一種で、人間ではこれまでに2655種類が見つかっている。 分子のサイズの塩基数は18から25で、極めて小さい。

マイクロRNAは、エクソソームと呼ばれる粒子に入って血液中に放出される。その数は1mLあたり約5000億個とされる。

最近の研究で、マイクロRNAは癌等の疾患にともなって患者の血液中でその種類や量が変動することが明らかになってる。さらに、こうした血液中のマイクロRNA量は、抗癌剤の感受性の変化や転移、癌の消失等の病態の変化に相関するため、全く新しい疾患マーカーとして期待されている。

東芝は同社独自の電気化学的なマイクロRNA検出技術を活用することで、すい臓がん、乳がんなど13種類のがんの患者と健常者を2時間以内に99%の精度で網羅的に識別できることを研究開発レベルで確認した。

今後、早期の社会実装に向けて、2020年から実証試験を進める。

近年、簡便かつ高精度にがんを検出する手段として、血液中に約2,500種類あるマイクロRNAが注目されている。

同社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(体液中マイクロRNA測定技術基盤開発)に参画し、マイクロRNAを用いたがん検出技術の開発に取り組んできた。 癌ができると血液中に増える「マイクロRNA」を検出する手法。

この事業には下図の通り、東レも「自動検査装置」で参加しており、東芝と同じく、血液1滴から様々な癌を発見する検査キットについて、2019年中に厚生労働省に製造販売の承認を申請する。

2019/6/13 東レ、血液による癌検査キットを承認申請へ



なお、
九州大学発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」は10月1日、体長約1ミリの線虫を使って、尿1滴でがんの有無を8割以上の高確率で判定できるという安価な検査法「N-NOSE」を、来年1月から実用化すると発表している。

反応するのは胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、子宮、前立腺など15種のがん。

現時点では検査でがんの部位までは判明しないが、今後は特定も目指す。

2019/10/7  線虫でがん検査、実用化へ


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