日本触媒と三洋化成工業、経営統合決定

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日本触媒と三洋化成工業は11月29日、共同株式移転の方式により両社の親会社となる「Synfomix株式会社」を設立し、経営統合を行うことを決議し、両社間で対等の精神に基づいた最終契約を締結したと発表した。


両社は2019年
5月29日、対等の精神に基づく両社の経営統合に向けて検討を進めていくことについて基本合意書を締結したと発表した。
その後、
経営統合に向けた詳細な検討と協議を進め、最終契約締結に至ったもの。

両社の事業:

  日本触媒 三洋化成
基礎化学品 アクリル、EO、吸水性樹脂(SAP) 等 吸水性樹脂(SAP)、PPG等
機能化学品 電子情報材料等 潤滑油添加剤、永久帯電防止剤等
新規事業 高機能なリチウムイオン電池電解質、
化粧品素材など
新型リチウムイオン電池
化粧品素材など
特徴 触媒・高分子・有機合成技術をコア

C2酸化でEO、C3酸化でPO、C4酸化で直酸法MMA(住友化学とのJVで、のち同社に事業譲渡)
界面活性制御技術をコア技術とし、約3,000種類に及ぶ高機能なパフォーマンスケミカル製品を開発
問題点 ユーザーニーズを意識した新規事業の創出 が課 主要原材料を日本触媒をはじめとした外部からの調達に依存

両社の主要株主:

日本触媒 三洋化成
住友化学 6.84% 豊田通商 19.38%
    東レ   17.30%
JXTGホールディングス 5.33% JXTGホールディングス 4.80%
全国共済農業協同組合連合 4.03%    
三洋化成 3.17% 日本触媒 5.00%

2019/5/31 日本触媒と三洋化成工業、経営統合


今後、
国内外の競争当局の承認を受けた上で、両社の定時株主総会において本株式移転計画書の承認を受け、下記により統合する。

統合持株会社Synfomix㈱を設立する。
日本触媒の普通株式1株に対して、統合持株会社の普通株式1.225株を、三洋化成の普通株式1株に対して、統合持株会社の普通株式1株を割当交付する。

比率は、市場株価基準法、類似企業株価法、DCF法などの比率を勘案して計算した。

自社株を除外すると、両社株主の持分は下記の通りとなる。

日本触媒 39,877千株x1.225=48,849千株
三洋化成 22,118 千株 
 日本触媒:三洋化成=2.2:1

日本触媒と三洋化成は、Synfomix ㈱ の子会社となる。

Synfomix ㈱ は2020年10月1日に上場する予定で、両社はその前日に上場廃止となる。

本株式移転の効力発生日の2年後を目途に、統合持株会社と両社の合併を実行することを基本方針としている。

ーーー

なお、両社はいずれも吸水性樹脂事業を行っており、統合により事業の強化を図るが、三洋化成はこの事業を豊田通商とのJVで行っている。

今回、三洋化成は豊田通商の持株を買い取り、100%子会社とする。2020年3月31日を予定している。

三洋化成は当初、SAP事業を三菱化学とのJVで行っていた。2013年に三菱化学は持株全てを譲渡し、合弁事業を解消すると発表、三洋化成はこれを豊田通商とのJVとした。

生産拠点は、愛知県東海市、江蘇省南通市、マレーシア ジョホール州で、生産能力は年産42万トン。

当初 2013年以降
JV名 サンダイヤポリマー SDPグローバル
 三洋化成 60% 70%
 三菱化学 40%
 豊田通商 30%


2013/4/1 三菱化学、高吸水性樹脂事業から撤退 



統合会社の事業内容:

マテリアルズ 酸化エチレン、エチレングリコール、エタノールアミン ・アクリル酸、アクリル酸エステル、ヒドロキシモノマー ・高吸水性樹脂 ・無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導品
ソリューションズ インダストリアル 永久帯電防止剤 ・塗料用樹脂 ・コンクリート混和剤用原料 ・高分子凝集剤 ・環境触媒 ・自動車フォーム用原料 ・潤滑油添加剤 ・分散剤/消泡剤
パーソナル 家庭用洗浄剤 ・化粧品用基材/素材 ・医療用止血剤/検査薬
エナジー&エレクトロニクス 新型リチウムイオン電池 ・コンデンサ用電解液、電池用電解質 ・光学フィルム用材料 ・微粒子材料 ・レジスト材料 ・トナーバインダー


統合効果:
経営統合後5年以内に年間100億円の統合効果を達成することを目標とする。

製造・販売関連 ・高吸水性樹脂の技術統合と最適操業による競争力強化
・酸化エチレン誘導品等その他化学品の技術の統
合と最適生産/立地による競争力強化 等
45億円
調達・物流 間接部門関連 ・共同購買による調達コスト削減
・物流最適化によるコスト削減
・間接部門統合による生産性向上 等
25億円
事業創出関連 ・リソースの選択と集中による新規製品の事業化加速
・既存事業周辺のソリューション提供強化による
事業拡大 等
30億円
合計 100億円

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