政府、 新型コロナワクチン供給でAstraZenecaと協議

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AstraZenecaは日本政府と、AstraZenecaとオックスフォード大学が開発中の新型コロナウイルスワクチンの日本への導入に向けた具体的な協議を進めることに合意した。

安倍晋三首相は6月14日、インターネット動画サイト「ニコニコ動画」の番組で、新型コロナウイルスのワクチン確保のため、開発を進めている米バイオ企業 Moderna、英製薬大手 AstraZenecaの両社と交渉していることを明らかにした。

AstraZenecaのワクチンについて「相当スピード感を持って開発が進んでいるとうかがっている」と紹介 した。

「これが完成した暁にはしっかりと日本も確保できるように交渉をしている」と述べた。

これについて、第一三共と明治ホールディングスが6月26日にそれぞれ発表した。

第一三共は6月26日、このワクチンの国内における製剤化(バイアル充填、包装、保管等)などについてAstraZenecaと協議を進めることに合意したと発表した。


製剤化は、子会社の第一三共バイオテックがAstraZenecaから原液供給を受けて実施する予定で、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の設備の活用も検討する。

第一三共は、現在実施中のナファモスタット吸入製剤や遺伝子(mRNA)ワクチンの研究開発を推進するとともに、AstraZenecaと協議のうえワクチンの国内安定供給に必要な準備を進めていく。

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明治ホールディングスは同日、傘下のMeiji Seika ファルマとKMバイオロジクスが、アストラゼネカ㈱が日本へ導入予定の新型コロナウイルスワクチンの国内安定供給に向けた協議を進めることに合意したと発表した。

KMバイオロジクスがAstraZenecaから原液の提供を受けて製剤化(バイアル充填・包装)した後、Meiji Seika ファルマが保管・配送を行い、アストラゼネカ㈱と協力して国内流通に必要な準備を行う。

Meiji Seika ファルマとKMバイオロジクスは、新型インフルエンザの流行に備えてKMバイオロジクスが既に保有している5700万人分のワクチン製剤化設備と、Meiji Seika ファルマのワクチン流通・供給スキームに加え、長年の開発を通じて培ってきた技術を有効活用し、一刻も早く同ワクチンをお届けするため尽力するとしている。

併せて、KMバイオロジクスによる全粒子不活化ワクチンの開発も加速する。

明治ホールディングスは2009年4月1日に、明治製菓と明治乳業が設立した共同持株会社で、2011年4月に、事業再編により、食品事業を㈱明治、薬品事業をMeiji Seikaファルマ㈱とした。

KMバイオロジクスの前身は、戦前熊本医科大学にワクチン、抗血清、診断抗原等の製造・供与を目的に設置されていた実験医学研究所を母体として1945年に設立された財団法人化学及血清療法研究所である。

2017年に医薬品製造販売業、新生児マススクリーニング事業を明治グループに譲渡することを決定、2018年に明治ホールディングスの連結子会社として、KMバイオロジクスが設立された。

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第一三共とKMバイオロジクスは独自のワクチンを開発中。

厚労省によると、日本医療研究開発機構(AMED)が支援しているワクチン開発状況は以下のとおり。

基本情報 取り組み状況 目標と対応 生産体制の見通し
組換えタンパクワクチン
感染研/UMNフ ァーマ/塩野
遺伝子組換え技術を用いて培養細胞よりコロナウイルスのタンパク質抗原を製造しコロナウイルスタンパク質抗原を人に投与するための注射剤 ワクチンの候補を作製
動物を用いた有効性評価を開始予定
有効なワクチン候補を選定しその後非臨床試験及び臨床試験の実施を目指す 塩野義が開発主体
mRNAワクチン
東大医科研/第一三共
メッセンジャーRNAを人に投与する注射剤
人体の中で
コロナウイルスのタンパク質抗原が合成され免疫が誘導される
ワクチンの候補の作製が終了
動物を用いた有効性評価を実施中
有効なワクチン候補を選定しその後非臨床試験及び臨床試験の実施を目指す
DNAワクチン
阪大/アンジェス/タカラバイオ
DNAを人に投与する注射剤
人体の中で
DNAからmRNAを介しコロナウイルスのタンパク質抗原が合成され免疫が誘導される
ワクチンの候補の作製が終了
動物を用いた有効性評価を実施中
最短7月から臨床試験開始の意 タカラバイオが生産予定
不活化ワクチン
KMバイオロジクス/東大医科研/感染研/基盤研
不活化したコロナウイルスを人に投与する従来型のワクチン コロナウイルスが増殖するかを確認中 2020年度中に非臨床試験終了を目指す
ウイルスベクターワクチン
(ID
ファーマ/感染)
コロナウイルスの遺伝情報を持ったセンダイウイルス投与するワクチ人体の中コロナウイルスのタンパク質(抗原)が合成される 動物を用いた有効性評開始予定 最短で9月から臨床試験開始の意向

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AstraZenecaは5月21日、英オックスフォード大学と共同開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、10億回分の生産体制を整えたと発表した。更に増設する。既に4億回分の受注契約を結んでおり、9月にも供給を始める。

AstraZenecaは同日、米生物医学先端研究開発局(BARDA)から10億ドルの支援を受けたことも明らかにした。同社が受注した4億回分のうち、およそ3億回分は米国向けになるという。
英国政府も6550万英ポンドを支援し、英国人用に1億回分(うち 9月までに3千万回分)を確保した。

2020/5/22 アストラゼネカ、新型コロナウイルスのワクチン 9月に供給へ 

AstraZenecaは6月4日、ワクチンを増設し、開発途上国にも供給すると発表した。

1) 同社は、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とGaviワクチンアライアンスと提携し、3億回分を年末までに引き渡しを開始する。

2) インドのワクチン大手Serum Institute of India (SII) とライセンス契約を締結、10億回分を低・中所得国に供給する。うち4億回分は年末までに供給する。
  このうち、一定量(発表なし)はインド向けで、残りはGAVI によって他の低所得国に配られる。

3) AstraZenecaは6月13日、英オックスフォード大と共同開発している新型コロナウイルスワクチンを、欧州に最大4億回分供給することで、ドイツ、フランス、イタリア、オランダで形成するワクチンの早期確保のための「ワクチン同盟」と合意したと発表した。「利益なし」で、年末までに納入を始める。

2020/6/8 AstraZeneca、新型コロナウイルスワクチン増産、開発途上国に供給 

AstraZenecaは自社で10億回分、インドのSerumへのライセンスで10億回分の合計20億回分を生産する。

自社のうち、3億回分は米国、1億回分は英国、3億回分はCEPI/Gavi 向け、残り3億回分は「ワクチン同盟」向け
インドのSII製造分の10億分はインド向け及びGAVI経由で低所得国向けとなる。

これから見ると、同社の当面の生産分は「ワクチン同盟」への供給で、完売したことになる。

日本向けがいつ頃から始まり、量がどの程度なのか不明である。

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