COVID-19 重症患者にステロイド剤デキサメタゾンが効果

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英オックスフォード大は6月16日、抗炎症作用のある一般的なステロイド剤デキサメタゾンが、新型コロナウイルスの重症患者の死亡率を減らすのに効果的だとする臨床試験の結果を公表した。

これを受けて英国の保健・社会福祉相は同日、新型ウイルス感染症の標準治療に午後からデキサメタゾンを含めると表明した。同薬に効果がある可能性が最初に明らかとなった3か月前から、備蓄を開始していた。

付記

厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の診療ガイドラインに「デキサメタゾン」を新たに掲載した。7月21日に判明した。
効果が検証され国内で使用が認められた治療薬は、5月に特例承認された「レムデシビル」に続いて2例目。

既に承認、保険適用されていて、肺の疾患や重症の感染症も投与の対象となっている。低価格で手に入りやすいのが利点。

デキサメタゾンはすでに抗炎症剤として、ぜんそくや皮膚炎など様々な症状の治療に使われている。

本年3月に英国の175の病院で11,500人以上の患者を対象とした 臨床試験 RECOVERY (Randomised Evaluation of COVID-19 Therapy) が開始され、ステロイド剤デキサメタゾンもテストされた。

抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」も調べたが、心臓疾患や致死率の悪化につながるという懸念から、試験を中止した。

2,104人の患者に1日6mgのdexamethasoneを10日間与えた。それと、通常の処理だけの患者4,321人と比較した。

28日後の死亡率は下記の通り。

通常の処理 dexamethasone処方
人工呼吸器をつけた患者 41%   28% 
酸素吸入の患者 25%   20% 
軽症者 13%   変化なし

呼吸補助を必要としない軽症の患者には効果がないもよう。

研究を主導するPeter Horby教授は次のように述べている。

酸素治療を必要とする患者の生存率を改善する効果は明らかで、デキサメタゾンはこうした患者の標準治療になるはずだ。デキサメタゾンは安価ですぐに使用でき、世界中で命を救えるだろう。

Martin Landray教授の発言:

人工呼吸器を使う患者の8人に1人、酸素供給治療を受ける患者の20-25人に1人が、デキサメタゾンで救えることが分かった。

これはきわめて明確なメリットだ。最大10日間、デキサメタゾンを投与するという治療法で、費用は患者1人あたり1日約5ポンドに過ぎない。1週間投与で35ポンド(約4700円)で人ひとりの命が救える。しかもこれは、世界中で手に入る薬だ。状況が許す限り、新型コロナウイルスで入院中の患者にはただちに投与を開始すべきだ。

世界保健機関(WHO)のTedros 事務局長も「酸素治療や人工呼吸器が必要な患者の死亡率を下げることが示された最初の治療法だ」と歓迎する談話を出した。

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