ダイセル、ポリプラスチックを100%子会社化

| コメント(0)

ダイセルは7月20日、子会社ポリプラスチックのCelanese持分(45%)を1,575百万ドルで取得し、100%子会社にすると発表した。

同日、契約を締結した。各国の競争当局の承認を得て取得する。

ポリプラスチックは1964年5月にダイセル55%、Ticona( 当時はCelaneseと HoechstのJVのエンジニアリングプラスチック事業、のち、Celanese子会社)45%で設立した。

日本を代表するエンプラ専業メーカーで、ポリアセタール(POM)、液晶ポリマー(LCP)で世界シェアNo.1、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)でNo.4、ポリブチレンテレフタレート(PBT)でNo.5となっている。


これまでCelaneeとは、当該事業のみならず、酢酸、酢酸セルロース、アセテートトウなどよく似た事業構造を持つ企業として、パートナーシップを継続して きた。

両社間では、時には知的財産をめぐる係争が生じたり、ポリプラスチックスのさらなる成長をめぐる意見の相違が生じたりする場面もあ ったが、昨年来、トップ同士の対話を通じて、こうした諸課題の解決を模索し、この度の合意に 至ったもの。

ポリプラスチックスの完全子会社化により、エンジニアリングプラスチック事業を中核として、合成樹脂分野の事業再編を加速し、グループ内にある様々な製品群のシナジー効果の最大化を追求 する。

ーーー

Celaneseの歴史は下記の通り。

ドイツのHenri Dreyfus(Hoffmann La Roche勤務)が1913年にCellonit Gesellschaft Dreyfus を設立し、セルロイドの製造を始めた。

ダイセルの前身の大日本セルロイドも1919年に、日本セルロイド人造絹糸、堺セルロイド(いずれも1908年設立)、大阪繊維工業(1916年設立)などセルロイド製造会社8社の合併で設立された。

その後、航空機用ペイントとその原料の酢酸の製造を行った。英国にBritish Cellulose & Chemical Manufacturing Co.を設立。

第一次大戦後の需要減でアセテート繊維の製造を開始、英国の会社をBritish Celanese Limitedに改称、米国にAmerican Cellulose & Chemical Manufacturing Companyを設立した。

米国の会社は1927年にCelanese Corporation of America に改称した。

1961年にCelanese Corporation of Americaと Hoechst AG がドイツにJV のTicona Polymerwerke を設立し、POMの生産を開始した。

この後、1964年にダイセルと合弁でポリプラスチックを設立した。

1987年にHoechstがCelanese を買収した。

その後、1997年にヘキストは事業再編でTiconaを子会社とし、1999年に化学部門をCelaneseとして分離、残る農薬・医薬部門をRhone Poulencs と統合し、Aventisとした。
TiconaはCelaneseの子会社となった。



2004年にBlackstone Capital PartnersがTOBでセラニーズを38億ドルで買収した。

Blackstoneは2005年初めにCelaneseを上場、順次、持株を売却し、2007年5月に全株を売却、短期間で50億ドル以上の利益を得た。

2007/6/2 米投資会社 Blackstone、Celanese 株式の売却完了

コメントする

月別 アーカイブ