イスラエルとUAE、新型コロナワクチンで協力

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Trump大統領は8月13日、アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルが国交正常化に向かうことで合意したと発表した。アラブでは1979年のエジプト、1994年のヨルダンに次ぐ3カ国目となる。

3者の電話会談によって実現した共同声明によると、UAEとイスラエルの両国の使節団は今後数週間以内に会談し、相互の国での大使館の設置、直行便の就航を含め、投資、観光、セキュリティ、通信、技術、エネルギー、医療、文化、環境分野など多岐にわたる内容の2国間協定に調印する。

共同声明ではまた、新型コロナウイルス感染症の治療やワクチン開発に関して、両国が「即座に」協力を拡大・加速するとし、両国の協業が地域のイスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒の命を救う助けとなるだろうと言及している。

両国の協力の第一弾として、UAEのAPEX National InvestmentイスラエルのTERA Groupは新型コロナウイルス対策の研究開発で協力する"strategic commercial agreement"に調印した。UAE国営news agency WAMが8月16日に報じた。

UAEのAPEXは健康関連を含む公共投資部門で活動している。

イスラエルのTERAは2003年設立で、 Israeli Weizmann Institute of Scienceの一部であり、研究開発に投資している。

WHO資料(2020/8/13)ではIsraeli Weizmann Institute of Scienceのコロナワクチン開発状況は下記の通り。

developer/manufacturer platform Type Phase
Israel Institute for Biological Research/
Weizmann Institute of Science
Replicating Viral Vector VSV-S Pre-Clinical

Israel Institute for Biological Research は先週、ヒトでの治験を10月に開始すると発表した。
このワクチンの治験をUAEで実施する可能性がある。


本年6月にUAEは、UAEの2社とイスラエルの2社が新型コロナウイルスを含む医薬プロジェクトで協力すると発表、7月にAbu DhabiのGroup 42 がイスラエルの技術企業 Rafael Advanced Defense Systems と Israel Aerospace Industriesの2社と新型コロナウイルス対策での技術開発で提携したと発表している。

このAbu DhabiのGroup 42はSinopharmのワクチンのPhaseⅢ治験をUAEで実施している。

中国医薬集団(China National Pharmaceutical Group Corporation:Sinopharm)傘下の中国生物技術(China National Biotec Group :CNBG) は、開発中の新型コロナウイルス不活化ワクチン候補の第3相臨床試験をアラブ首長国連邦(UAE)で開始したと発表したが、Group 42 と組んで治験を実施する。

当初Abu Dhabiで治験を開始したが、先週、Sharjah首長国にも広げた。

2020/6/26  中国医薬集団、新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験をUAEで実施 

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