TikTok、Oracle と提携

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米IT大手 Oracle Corporationは9月14日、北京字節跳動科技(ByteDance)の人気動画共有アプリTikTokの米国事業について、ByteDanceの「技術パートナー」として運営することで合意したと発表した。

TikTokは「米政権の安全保障上の懸念を解決できる提案を米財務省に提出した。この提案により、1億人に上る米国の利用者にサービスの提供を継続できるだろう」とコメントした。

Walmart と組んで事業買収に名乗りを上げていた Microsoftは9月13日、TikTok側から売却しないとの通知があったと発表した。

Mnuchin 米財務長官は、ByteDanceの提案に基づく合意を今週中に審査すると表明した。トランプ政権が望んだ完全な売却とはならない同事業の継続の可否は、週内に判断される。
財務長官は当初9月15日であった売却期限を9月20日に延ばした。

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トランプ大統領は7月31日、大統領権限を行使して、8月1日にもTikTokの米国事業を禁止する方針を表明した。

しかし、マイクロソフトのCEOがTikTok買収に向けた取り組みについて大統領と協議した。この結果、大統領は8月3日、マイクロソフトあるいは別の米企業への米国事業売却取引で9月15日までに合意が成立しないなら閉鎖させると言明した。

トランプ大統領は8月6日、動画投稿アプリTikTok を運営する北京字節跳動科技(Bytedance)との米国人の取引を禁止する大統領令及び、WeChat に関する騰訊控股(Tencent Holdings )との米国人の取引を禁じる 大統領令を出した。45日後に商務長官が禁止対象行為を決め、それ以降の取引を禁止する。

2020/8/10 米国、TikTokとWeChatの運営会社との取引禁止

TikTok事業売却交渉をめぐっては、米小売り最大手WalmartはMicrosoftと組み、買収交渉に乗り出すと表明した。Walmart とMicrosoftは、クラウドや人工知能(AIDS)で5カ年の提携契約を結んでいる。Walmartは「Microsoftとの連携で、利用者の期待に応えるとともにアメリカ政府の懸念も払しょくする自信がある」としている。Oracleも買収に乗り出した。

一方、中国商務省と科学技術省は8月28日、一部のハイテク技術を海外に移転する際に中国政府の許可が必要になるなど、規制強化を発表した。

中国の専門家は、TikTokで使われている技術が輸出規制に含まれる可能性があるため、進行中のTikTok USの事業売却に影響を与える可能性があり、交渉を一時停止するか慎重に検討すべきだと述べている。中国メディアによると、TikTokを運営するBytedance(北京字節跳動科技)は8月30日、この規制を「厳格に順守する」と表明した。

2020/9/2 中国、ハイテク技術の輸出規制を強化、TikTok売却に影響か

米国のルールではTikTokを9月15日までに米国企業に売却する必要があるが、中国のルールでは売却には中国当局の承認が必要で、承認なしでの売却は出来ない。
ロイターは先週、中国政府はTikTokの米事業が強制売却されるよりは閉鎖を望んでいると報じた。

今回、ByteDanceはこれを解決する方法を見出した。

米国がTikTok売却を命じたのは、「TikTok利用者の個人データの流出を防ぐため」である。

Bytedanceは2017年に米国の動画アプリ Musical.ly を買収しTikTokと統合したが、米国はByteDanceがMusical.ly を買収して米国市場に参入したことで「米国の安全保障を損なう行動を取る可能性がある」と判断した。

対米外国投資委員会(CFIUS)がMusical.ly 買収を調査していたが、所管の米財務省のムニューシン長官は8月14日、「TikTok利用者の個人データの流出を防ぐため、CFIUSとして今回の大統領令の発動を提言した」との声明を出した。

ByteDanceの案では、OracleがByteDanceの技術パートナーとなり、TikTokの米国のユーザーデータの管理を任される。Oracleも含めた米企業のTikTok米国事業への資本参加についても協議している。

この案では、米国が売却命令の理由とした「TikTok利用者の個人データの流出を防ぐため」ということは成り立たなくなる。

さらに、同様の仕組みが2年前に対米外国投資委員会(CFIUS)により承認されているという前例がある。

CFIUSは2018年6月、中国のコングロマリットChina Oceanwide Holdings Group(中国泛海控股集団)が、アメリカの保険会社Genworth Financialを買収する 案(2016年10月付)を、安全保障上の懸念はないとして、承認した。

CFIUSのレビューのなかで、両社はGenworthの米国の保険加入者の個人データを管理、保護するために、Genworthが米国の第三者のサービス会社を起用することで合意した。

ByteDanceの提案には、米国にTikTokの国際統括会社を置き、2万人を雇用することが含まれる。

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